Yahoo! JAPAN コマースアド(YCA)はどんな広告?YDAとの違いは?
Yahoo! JAPAN コマースアドとは、ヤフー株式会社(Yahoo! JAPAN)によるディスプレイ広告の一つだ。利用者は、Yahoo! ショッピングに出店していなくても、広告を配信できる。EC事業者にとって広告運用は売上アップに欠かせない施策といえるため、上手に活用したい。本稿では、Yahoo! JAPAN コマースアドを利用するメリット、広告の掲載場所、Yahoo! JAPAN コマースアドの活用で顧客増加につなげた事例などを紹介する。EC事業で広告配信を検討している担当者は、参考にしてほしい。
Yahoo! JAPAN コマースアド(YCA)とは
Yahoo! JAPAN コマースアド(Yahoo! Commerce Ads、略称YCA)とは、ヤフー株式会社によるコマースソリューションの一つである。Yahoo! JAPAN コマースアドを活用すると、インターネットショッピングモールの「Yahoo! ショッピング」に、広告を配信できる。
Yahoo! JAPAN コマースアドは、ユーザーが広告をクリックする毎に広告料金が課金される「運用型」の広告で、掲載自体は無料で行える特徴がある。1日あたりの予算を予め設定しておけるため、事業者の予算に見合った設定が行える。
活用のインパクト
Yahoo! ショッピングは、日本最大級の商品数・出店数を誇る、モール型のECサイトである。出店料や売上マージンが無料で、従来は法人のみの出店だったが、現在は個人でも商品の販売が可能だ。2022年10月に「Yahoo! ショッピング」と「PayPayモール」が統合し、Yahoo! ショッピングのサイトがリニューアルされた。EC事業者は「Yahoo! JAPAN コマースアド」を利用することで、大型ECモールに効果的な広告配信が可能になり、売上アップが期待できる。
関連記事:【徹底比較】Yahoo!ショッピング・楽天市場・Amazonはどこに出店すべき?
参考:【重要】10/12にYahoo!ショッピングとPayPayモールは統合します
広告が配信される場所
Yahoo! JAPAN コマースアドは、Yahoo! ショッピングのトップページや商品ページなど、多くのユーザーが目にする場所に広告を配信できる。掲載された広告は下のような形でパソコンにもスマートフォン画面にも表示可能だ。
Yahoo! JAPAN コマースアドを掲載できる主な場所は、以下のとおり。
- トップページ
- 商品ページ
- 商品レビューページ
- カテゴリーページ
- ランキング
- 注文履歴
- キャンペーンページ
広告は画像だけでなく、動画の表示もできる。
参考:【公式】コマースソリューション|LINEヤフー for Business
YCAとYDAとの違い
Yahoo!広告のディスプレイ広告(運用型)を指して、YDAと呼ぶことがある。YDAはYahoo! JAPANのトップやYahoo! ニュースなどにバナーや動画広告を出すことができるサービスなので、YCAとは別物だ。
参考:【公式】Yahoo!広告の「ディスプレイ広告(運用型)」(バナー広告)|LINEヤフー for Business
Yahoo! JAPAN コマースアドを利用するメリット
Yahoo! JAPAN コマースアドの利用は、次のようなメリットがある。
購入意欲が高いユーザーに配信を絞り込める
広告の配信先を、購入意欲の高いユーザーに絞り込むことができる。サイトでの購買データに加えて、検索データ、競合店での商品購入など、Yahoo! JAPANならではのデータを利用して細かなターゲティングが可能なためだ。目的の商品を探しているユーザーや、希望の商品でどれを買うか迷っているユーザーなどに対してアプローチし、購入を後押しできる。
Yahoo! ショッピングに未出店でも利用可能
Yahoo! JAPAN コマースアドは、Yahoo! ショッピングに未出店でも広告を出せる。サイト内に出店していないメーカーや代理店なども、Yahoo! ショッピング内に自社商品が出品されていれば出稿が可能だ。販売促進はもちろん、ブランドロイヤリティを高める効果も期待できる。
広告の掲載箇所が多い
Yahoo! JAPAN コマースアドは、Yahoo! ショッピングのサイト内のさまざまな場所に広告を表示できる。それ以外に、Yahoo! JAPANが運営しているサイト、あるいはECプラットフォーム提供サービスを利用している以下のサイトにも、広告配信が可能だ。
- エールマーケット(Yahoo! JAPAN)
- ズバトク(Yahoo! JAPAN)
- LOHACO(アスクル株式会社)
商品のターゲット層によりマッチした場所で、広告掲載展開が可能だ。
関連記事:Yahoo!ショッピングの集客方法は?平均的な売上から売れるコツまで紹介
Yahoo! JAPAN コマースアドで利用できるセグメント
マーケティングにおける「セグメント(セグメンテーション)」とは、ユーザーを年齢・性別・購買傾向など、特定の条件で絞り込んでグループ分けすることをいう。セグメントの活用は、広告へのアクセス数と購入率を上げるためにとても重要である。Yahoo! JAPAN コマースアドにおいては、次のようなセグメントを用いてターゲティングを行っている。
参考:セグメントとは? ターゲットとの違いやWeb広告への活用法|LINEヤフー for Business
Yahoo! 広告のディスプレイ広告(運用型)プリセットセグメント
Yahoo! 広告のディスプレイ広告(運用型)で、前もって用意されているセグメントがプリセットセグメントである。利用可能なターゲティングは、次のとおりだ。
- 性別・年齢・地域
- 曜日・時間帯
- デバイスオーディエンスカテゴリー(行動ターゲティング)
- サーチターゲティング(WEB検索)
- サイトリタ―ゲティング
YCAベーシックを活用したセグメント
YCAベーシックを活用したセグメントは、Yahoo! 広告(旧Yahoo! DMP)と連携し、ビッグデータから購入ユーザーの行動を学習・分析する。ユーザーが購入するまでの行動を活用したセグメントを作成することで、同じような行動をとっているユーザー層へアプローチが可能だ。具体的には、次のようなセグメントがある。
- Yahoo! プレミアム会員
- 特定カテゴリーの訪問セグメント
- ストア新規/既存セグメント
- 競合ストア購買セグメント
- ストアリターゲティング
- 購買予兆モデル
商品への興味関心度により、ユーザー層を次の3つに分けて考えることもできる。
- 潜在層:明確なニーズはないユーザー。商品に興味を持ってもらう、認知を高める広告が適している
- 比較検討層:カテゴリー検索など、競合他社も含めて検索しているユーザー。購入の検討につながる可能性がある
- 顕在層:購入を検討しているユーザー。情報収集のために検索している
Yahoo! JAPAN コマースアドはさまざまなデータを活用できるため、各層に対して、最適な配信設計が可能だ。
Yahoo! JAPAN コマースアドで顧客獲得数が3倍になった事例
Yahoo! JAPAN コマースアドの利用で、ユーザーに対するアプローチを強化して顧客増加につなげたのが、化粧品やサプリメントなどを手がけている、株式会社ファンケル(本社:神奈川県横浜市)である。
株式会社ファンケルがYahoo! JAPAN コマースアドで行った主な施策は、次の2点だ。
- あえてリピーターを外して、潜在的な新規顧客に配信
- 幅広い商品の紹介から、季節商品・セール品の紹介へ広告内容を変更
新規顧客の獲得について、商機の高い広告に絞って予算を投入して、特定の商品を一定の層にアピールした。結果として、顧客獲得単価を下げることなく新規顧客獲得数を3倍に伸ばし、売上増大に成功したという。
詳しくは、以下の記事を参考にしてほしい。
関連記事:ファンケルの顧客獲得数が3倍に!「Yahoo! JAPAN コマースアド」活用法
ECサイトの売上アップに、Yahoo! JAPAN コマースアドを活用しよう
Yahoo! JAPAN コマースアドは、広告費用はクリックされた場合のみ発生するため低額から始めやすく、Yahoo! ショッピングに未出店でも利用可能である。また、出店していても、情報の収集や分析などに手が回らない場合は、Yahoo! ショッピングに強みのあるコンサルティングサービスに代行を依頼するのもおすすめだ。Yahoo! ショッピング内での販売活動に力を入れたいメーカーや出店者は、Yahoo! JAPAN コマースアドの導入を検討してみてほしい。
また、ECのミカタではYahoo!ショッピングを得意としている、コンサル会社を無料で紹介しています。Yahoo!ショッピングでの広告運用を始めたい、もっと売上をあげたいなど、お悩みがある方は是非ご相談ください!