Amazon・楽天市場の利用実態に関する調査 20代はAmazon利用率が高く、女性は楽天市場を利用する割合が高い傾向
ナイル株式会社(以下:ナイル)が運営する「Appliv TOPICS」にて、20~69歳男女を対象に「Amazon」「楽天市場」に関するアンケートを実施した。
調査概要
◆調査方法:インターネット調査
◆調査期間:2023年7月4日~7月11日
◆調査委託先:株式会社ジャストシステム
◆調査対象:20~69歳男女
◆サンプル数:1099人
▷年齢
20~29歳:222人
30~39歳:222人
40~49歳:217人
50~59歳:221人
60~69歳:217人
▷性別
男性:544人
女性:555人
出典元:Appliv TOPICS
アンケート全体の結果
◆Amazon・楽天市場どちらも使ったことがある人が約7割
◆20代の「どちらも利用したことがある」の割合が他の年代よりも小さく、「Amazonを利用したことがある」の割合が他の年代よりも大きい
◆Amazonと楽天市場の両方を利用したことがある人の半数弱が、Amazonの方をよく利用している
◆男性よりも女性の方が、Amazonより楽天市場をよく使う人の割合が大きい
◆Amazon、楽天市場利用者の9割がサービス内容に満足
◆Amazonは「配送料」「配送方法」、楽天市場は「ポイントシステム」が優れていると感じている
以降で詳しい内容を確認していく。
全体としてAmazonの利用率高、特に20代で顕著な結果に
「Amazon」「楽天市場」を利用したことがあるかどうかについては、「どちらも利用したことがある」が最多で69.43%。7割近い人が両サービスを利用したことがあると回答。
「Amazonを利用したことがある」が15.20%、「楽天市場を利用したことがある」が8.28%で、Amazonの利用者がやや多い結果となった。
男女別で回答の割合を見てみると、「どちらも利用したことがある」に大きな差はみられない。
しかし「Amazonを利用したことがある」は男性の方が約5ポイント、「楽天市場を利用したことがある」は女性の方が約3ポイント高くなっていることが分かる。
両ECサービスの利用経験を年代別で確認すると、20代の「どちらも利用したことがある」が他の年代よりも低く、「Amazonを利用したことがある」が他の年代よりも高くなっている。
20代はAmazonの利用に偏っており、楽天市場を利用するユーザーが極端に少ないことがみてとれるだろう。
女性の方が楽天市場の利用率が高い傾向
「Amazonと楽天市場の両方を利用したことがある」と回答した763人に、どちらをよく使うかを質問。
「Amazon」が最も多く47.18%。「楽天市場」は37.35%、「どちらも同じくらい」が14.68%という結果に。
同質問を男女別で確認すると、「Amazon」は男性の方が女性よりも10ポイント以上高く、「楽天市場」は女性の方が男性よりも約8ポイント高くなっています。
また、「どちらも同じくらい」という回答も、女性が男性をやや上回っていることから、楽天市場の利用率は女性の方が高い傾向にあることが分かるだろう。
優れているポイントに若干の違いが
Amazonを利用したことのある930人、楽天市場を利用したことのある854人に、それぞれの満足度を質問。
両サービスで数字に大きな違いはなく、「とても満足」が約3割、「どちらかというと満足」が6割弱、合わせると約9割の人が満足しているという結果になった。
加えて、それぞれの優れていると感じるポイントについても複数回答で質問。以下上記項目を抜粋して紹介する。
◆Amazonが優れていると思うポイント
1:品揃え(584)
2:価格(489)
3:配送料(406)
4:配送方法(181)
5:セール・キャンペーン(172)
◆楽天市場が優れていると思うポイント
1:ポイントシステム(478)
2:品揃え(387)
3:価格(270)
4:セール・キャンペーン(234)
5:配送料(117)
※()は回答数
それぞれが提供するサービスによって使い分けか
優れていると思うポイントについて、両サービスとも「品揃え」「価格」は上位に入っていることが分かる。
Amazonは「配送料」「配送方法」の評価が高いのが特徴。Amazonプライム会員になっていると配送料無料、当日/翌日に届くお急ぎ便も追加料金なしで利用できる点が評価されているのだろう。
一方、楽天市場は「ポイントシステム」が1位。ポイントアップキャンペーンが頻繁に開催されることや、関連サービスを利用することで効率的にポイントが貯められる、「楽天経済圏」で生活しているユーザーの支持を得ている。こういった点から、家計を握ることが多い女性からの支持が高いことが推察できるかもしれない。
Amazon・楽天市場ともに商品力という点では大差ないことが分かるだろう。しかしながら、両企業がユーザーに提供するサービス、体験価値といった面で年代、性別の利用率に影響が出ていると考えられる。年々規模を伸長し続けるEC市場の中でも、Amazon・楽天市場は中心にいるといってもいいだろう。本調査の結果は、それぞれが想定するターゲット層に対するアプローチを検討する材料になるはずだ。今後の調査、動向に注目したい。