ベトナム向けEC/D2C販売・フルフィル支援【D-WORLD】の提供開始、同国市場のトレンドも紹介

ECのミカタ編集部

大広メコン・コミュニケーションズ株式会社(DAIKO MEKONG COMMUNICATIONS CO.,LTD、以下「大広メコン」または「同社」)は、ディー・クリエイト(本社:東京都港区、代表取締役社長:富田芳光、以下「ディー・クリエイト」)とグループ内連携を実施し、日系企業のベトナム市場向けEC/D2C販売・フルフィルメント事業支援サービス「D-WORLD」の提供を開始することを公表した。

2023年8月より開始

株式会社大広(本社:東京都港区、代表取締役社長:泉恭雄、以下「大広」)グループのベトナム拠点である大広メコンは、大広のグループ会社のディー・クリエイトとグループ内連携を実施し、日系企業のベトナム市場向けEC/D2C販売・フルフィルメント事業支援サービス「D-WORLD」の提供を2023年8月より開始することを公表した。

ベトナム市場のトレンド

ベトナム市場のトレンド

同社は、ベトナム市場における「EC/D2Cにおける消費動向・人気カテゴリーの市場トレンド」について言及している。昨今、成長著しいと注目を集める「ベトナム市場」。2022年のGDP成長率は過去最高の8.02%を記録し、「チャイナプラスワン」を追い風に続々と中国からの生産移管を進め、輸出入も好調に黒字を維持している。

そうした製造拠点としての成長は所得そして個人消費を活発にし、近年では魅力的な「消費市場」として商品やサービスの上市を検討する企業が増加している。文化的に通ずるところもあり、長年にわたる公的支援のおかげか日本に対する心象も良く、新日国家といえると分析。グローバル展開を望む日系企業にとって魅力度は増すばかりだとしている。今回は近年ベトナム市場に参入を検討する企業が特に多い3つのカテゴリーについて近況について概要をまとめている。

◆化粧品・スキンケア市場トレンド

ベトナムで販売されている化粧品やスキンケア製品は、基本的に海外ブランドの商品ばかりである。デパートコスメブランド、欧米や韓国、日本のブランドが進出しており、最近では現地・隣国での製造によって仕様や価格をローカライズしたアイテムも登場した。買い場も外資小売チェーンが強く、「Beauty box」、「Watsons」、「マツモトキヨシ」も進出している。

◆健康食品市場トレンド

ベトナム経済の成長に伴い、個人の給与が上昇し、全体的な健康意識は確実に高まっている。ベトナム人は体の不調が生じた時点で市販薬・通院により対処する傾向が強かったが、直近ではコロナ禍の経験から「将来何が起こるか分からないから事前に対策を打つ」感覚が強まった。実際に公的保険以外の民間健康保険への加入率も増加した。「健康食品」への関心も強く、コロナ禍以降その取引額が増加している。

◆EC/D2C市場トレンド

今や買物体験の場として欠かせない「EC/D2C」。1975年のベトナム戦争終結を経て急ピッチで近代化を遂げる中で、デジタル化が急速に進んだ。ただのITオフショア拠点ではなく、アジアのITをけん引する国へ成長させたいと国家単位で取り組んだこともあり、ここ数年のうちにECの浸透が進み、オンライン上での購買活動はさらに活発になった。ベトナムEC市場の2018年~2022年における年平均成長率は+15.0%、2022年~2025年の年平均成長率は+37.1%という極めて高い水準に達するものと見込まれ、その取引額は2025年までに320億USD(約4兆1600億円)に上ると予想されている。その成長加速度は東南アジアでも群を抜き、ASEANの中ではタイを上回る市場規模になりつつある。

ワンストップの販売サービスを提供

ワンストップの販売サービスを提供

そして今回、D2Cビジネスに強みを持つ『日・越の大広グループ会社』が連携し、ベトナム市場向けEC/D2C販売・フルフィルメント事業支援「D-WORLD」サービスの提供を開始することとなった。大広メコンが保有するベトナム国内向けのマーケティングやEC/D2Cでの知見とディー・クリエイトが保有するダイレクトマーケティング、総合フルフィルメント(貿易・物流/倉庫)、及び顧客対応等の運営サービスの知見を融合。

クライアント企業の商品の仕入・販売を大広メコンが行い、商品の一般貿易(物流/倉庫)運営管理、顧客サポート支援をディー・クリエイトが行うという。各販売チャネルを通じて取得した顧客データのマネージメントやベトナム現地ECの運営サービスをホーチミン市に拠点を置く大広メコンが行い、ワンストップでの販売サービスを提供するとのことだ。同事業を通じてクライアント企業のベトナム進出ならびにブランド販売を支援することで日系企業のグローバル事業拡大に貢献するとしており、同国への越境ECを企図する事業者にとっては、有力な選択肢ともなりそうだ。


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