イオンがダイエーを完全子会社化 イオンモールオンラインをリニューアル
ダイエー、60年の歴史に幕
ダイエーは11月26日の午前、臨時株主総会を神戸市内のホテルで開き、2015年1月1日付でイオンの完全子会社になる提案を承認した。
これに伴い、ダイエー株は今年の12月26日付で上場廃止になる。店の看板などにはしばらく「ダイエー」の名前も残るが、18年頃には消え去る見通しだ。戦後の流通業界に大きな影響を与えた総合スーパーのダイエーは60年の歴史に幕を降ろし、姿を消すことになる。
総会には株主680人が出席。村井正平社長は「今年5月にイオンから完全子会社化の提案を受けたが、4月に中期経営計画を策定したばかりだったため一度は断った」と明かした。また、「消費税増税などで経営環境が想定以上のスピードで変化しており、自力で軌道修正するより、ゼロから抜本的に再生すべきだ」と説明した。
ダイエーは現在、グループで全国474店を展開している。今後は、その9割が立地する首都圏と京阪神で、屋号を変えた食品スーパーに刷新される予定だ。
株主からは、「なぜダイエーのまま再建できなかったのか」「ダイエーの名前はあった方がいい」などの質問や意見が相次いだが、村井正平社長は決断の背景として、「市場が成熟して業種・業態を超えた競争が加速しており、インターネット通販の存在も高まっている」と指摘。「店舗小売業の今後10年は、これまでの50年を超える変化が訪れるだろう」と語って、社内の変革を進めると強調した。
オムニチャネルに対応する「イオンモールオンライン」
一方、イオンは、ライバルのセブン&アイ・ホールディングスを視野に市場を見据えて、着々とオムニチャネルへの手を打っている。
ダイエー子会社化の翌日27日には、ECサイト「イオンモールオンライン」を、新たに情報発信サイトとして全面リニューアルオープン。2年前の2012年9月にオープンしたものだが、この1〜2年で「webルーミング」「ショールーミング」という2つの消費行動が一般化して、小売業の状況も大きく変化したのを受けて、変革を進めた。
ファッションから食、ライフタイルの提案などイオンモールが持つさまざまな情報を取りまとめて発信することで、より便利で快適にモールを楽しめる環境を提供する、という。
掲載ショップ数は150ショップで、ファッション/ファッショングッズ/ヘルス&ビューティー/インテリア・雑貨/おもちゃ・ホビー/スポーツ・アウトドア/音楽・書籍・映像/食品など、40万アイテムを展開。今後、順次、掲載ショップ数、展開アイテムを拡大する。