個人輸入した医薬品、化粧品等にご注意!国民生活センターが注意喚起

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ECのミカタ編集部

国民生活センターが、個人輸入で医薬品や化粧品等を購入、使用する場合の注意点を公表。海外の化粧品等を取り扱うEC事業者にとっても知っておきたい事例として、その要旨をお伝えする。

美白クリームで皮膚障害が発生

独立行政法人国民生活センターが、同センターに寄せられた事例をもとに、インターネット通信販売等を利用して海外から医薬品や化粧品等を購入、使用する場合の注意点をまとめ、消費者に注意を呼びかけた。

今回公表されたのは、2023年6月、同センターの「医師からの事故情報受付窓口(ドクターメール箱)」に寄せられた、20歳代の患者がインターネットの評判を見て購入した美白クリームを皮膚の色素沈着のある部位に使用したところ、かぶれて色素沈着がより強くなったという情報。

医師によれば、患者は同年5月に当該の品を化粧品の美白クリームという認識でインターネット通信販売で購入して使用したようだが、その表示等について調べたところ、国内では医師の処方が必要な医薬品成分が含まれていた。また、含まれているとされた医薬品成分は作用が強く、基本的に軟膏として顔への使用は禁忌とされているものだが、販売サイトには、顔にも使っている事例を宣伝しているところもあるとのこと。

そこで、同センターで当該の商品を調べたところ、主に医薬品の個人輸入サイトでの購入が可能なものだった。

個人輸入した医薬品、化粧品等の購入・使用のリスク

消費者がインターネット通信販売で医薬品や化粧品等を購入し、海外から商品が直送されてくる場合は、個人輸入に該当。また、個人輸入代行業者を利用した場合や海外の旅行先で購入して持ち帰る場合も同様だ。

個人輸入した医薬品、化粧品等は、品質、有効性および安全性について、国内の法的規制を受けず、国内での基準から外れるものもある。

同センター発表の資料では、販売サイト等での記載や商品の表示や説明が日本語ではない場合もあり、使用方法や注意表示等の内容を正しく十分に理解できないまま、購入、使用してしまうことも考えられる、としている。その場合、期待した効果が得られないばかりか、思わぬ健康被害を受けてしまう危険性も指摘されており、さらに国内に拠点がある事業者とは違って事業者交渉も困難で、補償が得られない可能性も高いと考えられる、としている。

同センターでは「消費者へのアドバイス」として下記を挙げつつ、行政に対しても消費者への注意喚起等の啓発を行うよう要望。消費者はもちろん、海外の化粧品等を扱うEC事業者としても改めて留意しておきたい事例だろう。

消費者へのアドバイス
■医薬品や化粧品等を個人輸入する場合は、販売サイトの記載内容をよく確認した上で購入の判断をし、商品の表示等を十分に理解してから使用するようにしましょう。

■個人輸入した医薬品や化粧品等の使用に伴い体調に異変が生じた場合には、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。


※出典元:詳細は下記「報告書本文」として公表されている
https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20230906_1.pdf