GMOメイクショップが国内初となる「生成AIによる対話型コマース」を利用した高齢者の買い物支援の実証実験を開始

ECのミカタ編集部

GMOメイクショップ、国内初「生成AIによる対話型コマース」を利用した高齢者の買い物支援の実証実験を開始

GMOメイクショップ株式会社(以下:GMOメイクショップ)は2023年11月1日より、香川県坂出市でケーブルテレビや通信事業を展開するKBN株式会社(以下:KBN)および坂出市、坂出商工会議所と連携し、「生成AIによる対話型コマース」を利用した高齢者の買い物支援策の提供に向た実証実験(以下:本実証実験)を開始する。

音声対話形式のオンラインショッピングを提供

坂出市王越町の高齢者世帯を対象に、2023年11月から約3カ月間、GPT-4を利用した音声対話形式のオンラインショッピングによる実証実験を行う。

◆実施期間:2023年11月1日(水)~2024年1月の3カ月

◆対象者:坂出市王越町の約350世帯(2023年9月1日時点)より参加者を募集

◆検証内容

▷高齢者による実機の操作性

▷高齢者の買い物支援における対話型コマースの有効性

◆サービスの特徴

▷音声対話型コマースによって高齢者でもオンラインショッピングが可能に

▷発言に応じてAIが回答する対話型コマースでは健康促進による介護予防が期待できる

▷注文先となるECサイトの構築・運営は地元の商店に協力を依頼し、販売機会を増加させる

▷配送手段は地元タクシー会社との連携を検討するなど、地域事業の有効活用によるシェアリングエコノミーの推進を目指す

◆対話型コマースの利用イメージ

他地域への提供を目指し検証を進める

「makeshop byGMO」のショップ所在地別の流通額データでは、四国四県が他県と比べて流通額が少ないことから、GMOメイクショップは四国のEC化・IT化に課題を感じていたという。

そのため2022年より、四国のEC化・IT化の底上げを図るべく、百十四銀行や香川銀行、坂出商工会議所などと連携した支援策を進めてきた。また、2023年9月には、坂出市と「地域活性化起業人制度による派遣に関する協定」を締結しGMOメイクショップのメンバーの派遣を開始、市民の生活利便性の向上や、市職員の働き方改革を実現するため、坂出市との連携を強化した。

本取り組みに対して、GMOメイクショップ代表取締役社長CEOである向畑憲良氏は以下のようにコメントしている。

「実験の対象となる王越町は私の地元でもあり、実際に私の母が食料品や日用品の買い物に苦労する様子も目の当たりにしてきました。過疎化、高齢化による買い物弱者の問題は王越町に限ったことではなく、全国的に深刻化していますが、まずは王越町での実験をもとに、他の地域の方々にもご利用いただけるサービスとしての提供を目指し、検証を進めてまいります」。

2024年以降のサービス提供を目指す

昨今、地域の過疎化や高齢化による商店街の衰退などから、買い物弱者問題への対策が必要とされている。

農林水産省のアンケート調査によると、全国の市町村のうち回答があった市町村の87.2%が「食料品の買い物が不便・困難な住民に対する対策の必要性がある」と回答しており、坂出市においてもそれは例外ではない。2023年の坂出市の高齢化率は34.9%と全国平均の29.0%よりも高く、中でも王越町では、高齢化率61.1%と人口の半数以上が高齢者となり、買い物弱者の問題が深刻化している地域だ。

本実証実験は2023年11月1日より開始され、2024年以降のサービス提供を目指すとしている。坂出市長である有福哲二氏は「実証実験の成果を、今後の高齢者の在宅生活を支える環境づくり施策に活かしてまいりたいと考えております」とコメントしており、全国的な社会課題への解決策となることが期待されるだろう。今後の動向に注目すべきだ。


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