ビットキーとパナソニックがマンション置き配に対する新機能を提供 宅配便の荷物番号を活用し、オートロックを解錠する

ECのミカタ編集部

ビットキーとパナソニックが、マンションへの置き配普及に向け、宅配便の荷物番号を活用してオートロックを解錠できる新機能を提供開始

株式会社ビットキー(以下:ビットキー)とパナソニック株式会社エレクトリックワークス社(以下:パナソニック)は、ビットキーが提供するhomehubとパナソニック製集合マンション向けインターホンが連携した新機能(以下:本機能)の提供を開始した。

セキュリティを担保しながら利便性を向上

本機能は、パナソニックの集合マンション向けインターホン設置物件にて、宅配事業者の配達員が組合せ番号をインターホンに入力することで、オートロックを解錠できる機能である。

宅配事業者は配送管理システムの開発・改修コストなど必要なく専有部玄関前への配達が可能となる。なお、本取り組みは宅配事業者やサービス事業者を対象に、オートロックの集合玄関機を安心・安全に解錠できる仕組みを提供することで、セキュリティを担保しながら利便性を向上するものである。

各事業者には以下のようなメリットが存在する。

◆宅配事業者
スマホアプリや配送管理システムの開発・改修コストを抑えることができるため、スピーディーに専有部玄関前への配達に対応可能。

◆管理組合・デベロッパー
集合マンション向けインターホンに機能が搭載されるため、エントランスへの専用端末の追加設置が不要。また、オートロックマンションの安全性を担保しながら再配達削減に寄与できるため、物件の資産価値向上に寄与する。

homehubアプリと連携する

◆新機能を用いたドアマエ配達の流れ

▷居住者はECサイト等でのお買い物時に「置き配」などの配達場所を選択
▷配達員は、荷物お届け時に、組合せ番号を確認し、インターホンに入力
▷オートロック解錠後は、専有部玄関前への置き配、もしくは各戸の宅配ボックスに荷物を配達

◆新機能での解錠の仕組み

▷居住者はhomehubアプリ(※1)をダウンロードし、宅配事業者のお届け予定メールが届くサービスと連携
▷お届け予定メールが届くと、ビットキーのシステムで組合せ番号を生成
▷配達員が、インターホン操作時に組み合わせ番号を入力すると、ビットキーのシステムと照合し開場

※1:ビットキーが提供する生活者向けスマホアプリ

2024年問題を解決する一助となる

本機能の提供にあたり、ビットキーは以下のようにコメントしている。

「働き方改革関連法により来年度よりトラックドライバーの時間外労働の上限規制が導入され『物流の2024年問題』の発生が見込まれます。この解決の一助となることを見据え、ビットキーとパナソニックは、2022年3月よりマンションのオートロック解錠サービスの提供を目的に、業務提携契約を締結し、検討を進めてきました。今回、物流の2024年問題へスピード感をもって対応する必要があると考え、宅配事業者にとって利用しやすく、かつ不動産事業者が安心して導入できる新機能の提供に至りました。今後は宅配事業者やデベロッパー、管理組合などの意見をふまえ、より一層宅配事業者にとって使いやすく、入居者にとっての利便性が高い取り組みを、物件の安全性を担保しながら提供できるよう、技術やサービスの改善を進めてまいります」。

物件のセキュリティ担保と置き配ニーズを両立させる

ビットキーは2022年3月以降の取り組みによって、「置き配」への入居者ニーズの高さを把握。特に、重いものやかさばるものにはニーズが高く、共用部設置の宅配ボックスが満杯のため「置き配」を利用したいといった意見も多かったという。

一方で、集合玄関機と配達員が利用するスマホアプリの開発や配送管理システムとの連携など、システム開発に関するハードルが高い場合があった。また、インターホン以外に配達員が利用するための専用端末を設置する場合、物件のデザイン性を損ねる場合があるほか、荷物番号のみでオートロックを解錠できてしまう仕組みから、物件のセキュリティ低下も懸念された。

本機能はマンションでの置き配課題を解決し、利用者のニーズに的確に応えたものとなる。今後、2023年11月より新築・既築分譲マンションを中心に提案を開始し、2024年4月よりサービス提供を開始。対象のインターホンに対応するネットワーク中継機の後付設置でもサービス利用できるため、既築マンションでの導入も可能としている。宅配現場の課題を解決する1つとして、本機能は大きな役割を担うだろう。サービス提供以降の動向に注目だ。


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事