国内医療用品物流における共同配送を開始 物流業界の2024年問題に対し、医療現場への安定供給を目指す

ECのミカタ編集部

アルケア株式会社 および 日本シグマックス株式会社 国内医療用品物流における共同配送を開始

アルケア株式会社(以下:アルケア)と日本シグマックス株式会社(以下:日本シグマックス)は、国内物流における医療用品の共同配送を2023年12月11日より開始した。

2社の配送トラックを一本化させる

今回の共同配送は2023年12月11日から東日本の一部取引先への配送より開始。両社がそれぞれ各取引先へ配送していたトラックを一本化することによって、トラック台数を削減し、輸送の積載効率向上やドライバー不足の軽減、物流コストの抑制、環境負荷の低減などへの貢献を期待している。

共同配送の取り組みについては、取引先や対応エリアのさらなる拡大を検討しており、今後より一層効率的な物流環境が実現するだろう。

◆物流イメージ

安定した医療用品の配送を今後も持続させる

今回の共同配送について、日本シグマックスは以下のようにコメントしている。

「医療用品はその性質上、流通過程を含め、安定した供給が求められています。しかし、物流業界ではドライバーの不足や高齢化、働き方改革関連法によるいわゆる『物流の2024年問題』、また燃料費の高騰などが懸念されており、医療用品の安定した配送にリスクが生じています。共に医療用品を提供するメーカーであるアルケア株式会社と日本シグマックス株式会社は、整形外科領域など事業の一部において競合関係にもあります。しかしそれゆえ共通の取引先も多いことから、これら業界共通の社会課題である安定供給とコスト抑制に対処すべく、このたび共同で物流プロセス改善に着手することにいたしました」。

医師の残業時間規制による医療の質も注目される

働き方改革関連法適用による影響は「2024年問題」と総称されており、物流業界を筆頭に現在の環境を維持できるかが懸念されている。医療業界も例外ではなく、中でも医師の残業時間規制による医療の質に対しても注目が集まっている。

こういった状況において、医療用品の安定配送が滞ってしまった場合、これまで通りの医療を患者に施せない可能性も十分考えられるだろう。

今後想定される配送料の上昇、燃料費や原料等の仕入原価の高騰など、製品価格への影響も避けられない。今回の事例のように、競合関係にある企業同士での共同配送は今後も広がっていくことが想定される。2024年4月以降も安定した物流、医療環境を維持するためにはより一層の工夫が求められるだろう。


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