ヤマト運輸、江崎グリコら4社が物流パートナーシップ優良事業者 特別賞を受賞

ECのミカタ編集部

江崎グリコ株式会社、株式会社キユーソー流通システム、ヤマト運輸株式会社、プレミアムウォーター株式会社の4社が、グリーン物流パートナーシップ会議の令和5年(2023年)度「物流パートナーシップ優良事業者 特別賞」を受賞。4社は「納品リードタイム延長による拠点集約、一貫パレット輸送スキームの構築」に取り組み、物流における生産性向上と環境負荷低減を実現したと発表した。

物流生産性の向上でドライバーの負担軽減目指す

江崎グリコ、キユーソー流通システム、ヤマト運輸、プレミアムウォーターの4社は、物流分野における環境負荷の低減や物流の生産性向上に顕著な功績を上げた取り組みに対して表彰される「物流パートナーシップ優良事業者表彰」で、令和5年(2023年)度の「グリーン物流パートナーシップ会議特別賞」を受賞した。評価された4社の取り組みは「納品リードタイム延長による拠点集約、一貫パレット輸送スキームの構築」。そのスキームを共同のプレスリリースをもとに要約して紹介する。

トラック運行と二酸化炭素排出量を削減

江崎グリコはこれまで、全国6カ所の在庫拠点(DC:ディストリビューションセンター)を活用し、プレミアムウォーター向けの販促品を、受注翌日に全国の販売先に納品していた。だが、在庫の偏在、在庫拠点間での低積載や無駄な輸送、繁忙期にドライバー確保が難しいといった状況が生まれていたという。また、トラックへの積み込み方法でバラ積みとパレット積みが混在しており、時間のかかるバラ積みの荷役作業がドライバーの負担になっていた。

そこで、2023年5月から協働を開始した4社は、プレミアムウォーターが江崎グリコに発注してから納品までのリードタイムを「発注日+1日」から「発注日+10日」へと大幅に延長するとともに、在庫拠点を6カ所から1カ所に集約し、ヤマト運輸のネットワークを活用することで効率的な輸送スキームを確立した。

その結果として、トラックの運行は年間1550回相当削減(※)、二酸化炭素の年間排出量を93.7トン削減(削減率39% ※)できると見込む。また、枚方DCからヤマト運輸茨木ロジセンターまでの輸送を「パレット積み」に統一することで、荷役時間の削減を図りドライバーの作業負担の軽減を実現したという。

※:江崎グリコの試算による

持続可能な物流構築のための“四位一体”のスキーム

同会議の資料では「4社にて持続可能な物流の構築という目的に沿った四位一体となるスキームを構築した」と、取り組みの特徴を紹介。共同のプレスリリースで4社は「今後も荷主(発荷主、着荷主)、物流事業者のそれぞれが連携し、生産性向上や環境負荷低減など持続可能な物流の構築を目指した活動を続けてまいります」としている。

環境に配慮した「グリーン物流」でありつつ、物流生産性を向上させドライバーの拘束時間の削減に成功したという今回の取り組み。ECにも深く関係する「物流の2024年問題」に対応するには、荷主と物流事業者がしっかりと連携する仕組み作りが有効、必要であることを示す事例と言えるのではないだろうか。


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