日本郵便、3期連続の減収・減益もゆうパックの取扱数量は増加へ 2024年3月期第3四半期決算発表 

ECのミカタ編集部

日本郵政グループは2024年2月14日、2024年3月期第3四半期(2023年11月~2024年1月)決算を発表した。第3四半期は第2四半期と同様に、経常収益、経常利益ともにマイナスで着地。日本郵便の連結決算を見ると「郵便・物流事業」が大幅な減収となっていたようだ。

日本郵便、前年同期比のマイナスは3期連続に

日本郵政グループが2024年2月14日に発表した決算資料によれば、2024年3月期第3四半期の日本郵便の経常収益は2兆4987億円(前年同期比1434億円減)、経常利益は238億円(前年同期比803億円減)と2024年3月期に入ってから、前年同期比は3期連続のマイナスとなった。

一方で経常収益、経常利益ともにプラスとなったのはゆうちょ銀行。第2四半期から連続して前年同期比がプラスで着地した。要因として、臨時損益に該当するプライベートエクイティファンド(※)、不動産ファンドからの収益下支えに加え、株式のリスク調整オペレーションに伴う売却益の増加だとしている(※1)。

出典元:日本郵政グループ

※1出典元:2024年3月期第3四半期決算説明資料(ゆうちょ銀行)

第二四半期と同様、ゆうパック・ゆうメールが好調

郵便・物流事業を見ていくと、第3四半期の総引受物数は124億4100万通・個で前年同期比5.5%減と3年連続の減少となった。商品別でみると郵便は96億個(前年同期比4.9%減)、ゆうメール20億7900万個(前年同期比10%減)、ゆうパック7億6200万個(前年同期比2.1%、うちゆうパケットは7.5%増)と第2四半期に引き続き、ゆうパック・ゆうパケットの取扱個数がプラスで着地した。

引受個数が順調に推移しているゆうパケットだが、ヤマト運輸と協業の一環で取り組んでいる「クロネコゆうパケット」(23年10月1日から開始)が好調なようだ(※2)。24年2月1日には「クロネコゆうメール」が開始したが、次の四半期に向けてこちらの影響の有無が気になるところだ(※3)。

出典元:日本郵政グループ

経営成績について、営業収益は取扱数量、年賀葉書の減少などにより704億円の減収。営業費用は、コストコントロールの取組等を進めているものの、人件費と集配運送委託費がかさみ、129億円の増加となった。これにより、営業損益は前年同期比で833億円減少し、378億円の営業損失で着地している。

※2 関連記事:ヤマト運輸が10月1日より「クロネコゆうパケット」を一部エリアから発売 厚さ3cmまで3サイズに応じた全国一律料金で大量集荷も対応
※3 関連記事:「クロネコゆうメール」を全国で発売開始、2024年2月から クロネコDM便からの移行作業は?

国際物流事業、減収の動きは変わらず

国際物流事業でも減収の動きが続いている。第3四半期の営業収益は3333億円と前年同期比で968億円の減収となった。ロジティクス事業は第2四半期と同様の収益だったものの、フォワーディング事業の貨物運賃下落等が減収の要因だとしている。

一方で営業費用については、フォワーディング事業の減収見合いの費用減少やロジティクス事業のコスト削減等により第2四半期と同様に減少した。営業費用の減少額が営業収益の減収額を下回ったことにより、営業損益(EBIT)は54億円で着地している。

出典元:日本郵政グループ

連結業績予想は現状維持

第3四半期決算短信【日本基準】(連結)によれば、今四半期の結果による連結業績予想は23年5月15日に公表した通期の業績予想から変更はないとした(※4)。

第3四半期は郵便・物流事業が833億円と大幅な減益により、日本郵便の連結決算を見ても営業収益は1401億円減少と依然厳しい状況が続いている。各企業との協業やIT化に向けた取り組みが功を奏するか今後の動向に期待したい。

出典元:日本郵政グループ

※4 出典元:2024年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)


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