物流の2024年問題と満足度の高いECサイト、関係性はある?

ECのミカタ編集部

満足度の高いECサイトの特徴 アンケート調査

アートトレーディング株式会社(以下:アートトレーディング)は、ECサイト活用における意識調査実施、結果を公表した。

調査概要

◆調査名:ECサイト活用に関するアンケート
◆調査内容:ECサイト活用における意識調査
◆調査対象:全国20代~90代の男女
◆有効回答数:1000名
◆調査実施日:2024年2月16日~17日
◆実施:アートトレーディング株式会社

◆出典元:『満足度の高いECサイトの特徴 アンケート調査』についてのプレスリリースを配信しました(アートトレーディング株式会社)

ECサイトでの商品購入において「送料無料」が最も満足度が高い

「ECサイトで商品を購入する際、最も満足度が高いポイント」については「送料無料(26.35%)」「商品数が多い(22.75%)」「注文から到着までが早い(18.24%)」が上位に並ぶ結果に。

一方で「問い合わせ対応」や「梱包の丁寧さ」といった店舗やEC運営側で行う対応に関しては、上位結果と比較するとあまり重要視されていない状況が判明した。

物流の2024年問題について、配送料への影響が懸念される

「物流2024年問題についてどの程度知っているか」という問いに対しては、約7割の方が「内容を説明できる」「なんとなく知っている」と回答。2024年4月と目前に迫ったドライバーの働き方改革法案の施行を前に、一般的にも認知度が高まってきていることがうかがえるだろう。

一方、物流2024年問題によるECサイトへの影響について「これだけは許せない・何とかしてほしい」と感じることについては「送料が高くなること」「送料無料が撤廃されること」「不在時の再配達料がかかること」など、料金に関する要素が上位を占めた。

今後は「送料無料」が売上拡大に繋がる可能性も

本調査では、物流2024年問題におけるEC活用時の負担料金の増加は、消費者の意に反していることが判明したといえるだろう。しかしながら、ドライバー不足や燃料費高騰などの問題から持続可能な物流の実現のためにも物流コストの上昇は避けられない現状がある。

消費者庁では、消費者の物流問題に対する意識改革や行動変容を促すためEC事業者に対し「送料無料」の表記をする場合は送料負担の所在を明確化するなど見直しを求める方針となった(※1)。これにより実際にかかっている物流コストに意識を持ってもらい、再配達依頼をなくしたり注文をまとめてもらったりと、消費者の理解を得られた上での購買行動の変革が期待されている。

本調査内容から、今後は「送料無料」と表記することで販売機会の拡大につながる可能性も考えられる。その場合は同梱発送や上限金額を儲けた上で、送料無料サービスを行うことも有効だろう。

持続可能な物流実現には事業者、物流現場だけではなく消費者の理解も必要となる。改めて顧客への周知、協力が得られるようなアナウンスが求められるはずだ。

※1:消費者庁 物流の「2024年問題」と「送料無料」表示について


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