東京都がフリマサービス利用時の食品衛生への意識を初調査 約3分の1の人がルールを知らない!?

ECのミカタ編集部

フリマサービス利用時の食品衛生についての意識を初調査

フリマサービス(※1)利用時の食品衛生に関するトラブルの実態を把握するため、過去1年間にフリマサービスで食品の売買をした経験のある20歳以上の都民を対象に、食品の売買の状況や食中毒に関する意識調査を都として初めて実施した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。
※1:個人間で物の売買をオンラインで行うことのできるサービス

調査概要

◆調査対象:過去1年間にフリマサービスで食品の売買をした経験のある20歳以上の都民
◆調査方法:アンケートモニターに対するインターネットアンケート
◆調査日:2023年10月27日(予備調査)、2023年12月7日(本調査)

◆出典元:フリーマーケットサービス利用者の食品衛生に関する意識調査報告書(東京都保健医療局 )

配送時の温度管理を知っていたのは22.3%に留まる

把握している食品売買時の食品衛生に関するルールについて、「手作りの食品を出品する際には、食品衛生法に基づく許可や届出が必要な場合がある(※2)」34.0%、「加工食品を出品する際には、容器や包装の見やすい場所に賞味期限やアレルギーなどの表示が必要である」32.0%が上位に並んだ。

一方、食中毒の原因となり得る配送時の注意点である「要冷蔵品ならクール便を使うなど、表示されている保存方法を守る必要がある」を知っていたのは、22.3%に留まった。また、「どれも知らなかった」と回答した割合は34.4%にものぼる。

※2:手作りのクッキーやドーナツなどを出品する場合には、「菓子製造業」の営業許可が必要。許可を取得するためには、家庭の台所とは別に営業用の調理場を設けるなど、食品衛生法に基づく施設基準を満たさなければならない。あわせて、食品衛生責任者を定め、HACCP※に沿った衛生管理を実施する必要がある。

「食品の傷み」に関するトラブルがトップに

販売者のトラブルの経験は19.5%となり「食品が傷んでいたと言われた」42.3%、「食品の賞味(消費)期限が切れていたと言われた」34.6%が上位にならぶ。また、注意していることは多い順に、「出品禁止の食品を確認する(※3)」53.4%、「フリマサービスの規約を確認する」51.9%であった。注意点の確認方法については、「フリマサービスの規約を読んだ」が63.2%と最多に。

一方、購入者のトラブルの経験は6.3%。その内容は多い順に「食品が傷んでいた」と「食品の包装に問題があった」がともに30.3%、「食品の賞味(消費)期限が切れていた」が21.2%に。注意していることは多い順に、「信頼できる(評価が良い等)出品者から購入する」37.2%、「賞味期限やアレルギーなどの表示があることを確認する」32.4%となった。

※3:出品禁止の食品はフリマサービスごとに異なるため、出品前に規約等を必ず確認すること

食品衛生に関する意識を再度徹底

本調査の結果を受け、東京都は都民に対して以下のアナウンスを行った。

◆フリマサービスで食品を売る場合
▷食品が傷んだりしていないか確認し、期限内に購入者に届くようにすること
▷食品の種類によっては許可や届出が必要な場合もあるため、事前に保健所に相談すること
▷食品に表示されている保存温度を守り、要冷蔵品は必ずクール便を使って配送すること

◆フリマサービスで食品を買う場合
▷商品に気になる点があるときは、買う前に出品者に問い合わせること
▷出品者が示している食品表示や営業許可書等を確認し、信頼できる出品者から購入すること

本調査では約3分の1の人が食品売買のルールを知らずに利用している実態が判明した。食品という口に入る商材を取り扱うからこそ、細心の注意が必要となる。ルールを遵守し、鮮度を保った配送を実現させることが顧客からの信頼獲得に繋がるはずだ。各事業者の意識改善、安心・安全な取引の実現が求められるだろう。


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