特定保健用食品が「どのようなものかわかる」割合は2015年調査以降減少傾向に 特定保健用食品の利用に関する調査
マイボイスコム株式会社(以下:マイボイスコム)は2024年5月1日、7回目となる「特定保健用食品の利用」に関するインターネット調査を実施し、結果を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。
調査概要
◆調査対象:MyVoiceのアンケートモニター
◆調査方法:インターネット調査
◆調査時期:2024年4月1日~7日
◆回答者数:9351名
◆出典元:「特定保健用食品」の利用に関するアンケート調査(第7回)(マイボイスコム株式会社)
特定保健用食品の認知度は徐々に緩やかに減少
特定保健用食品の認知率について「どのようなものかわかる」「名前を聞いたことはあるが、どのようなものかわからない」の合計は約95%という結果に。
一方で「どのようなものかわかる」は45.7%と、2015年調査以降減少傾向にある。
また、直近1年間に特定保健用食品を購入した人は4割強。購入した商品(複数回答)について、飲料では「お茶系飲料」が26.4%、「清涼飲料」「炭酸飲料」「乳酸菌入り飲料」が約7~8%と並ぶ。食品では「ヨーグルト、飲むヨーグルト」が8.9%といった結果に。
3割以上が特定保健用食品の効用を意識して購入
特定保健用食品購入者のうち、商品の効用を意識して選ぶ人は32.9%を占める。
女性10・20代では「効用までは意識しないが、トクホを優先して選ぶ」が他の層より高く、「効用を意識して選ぶ」が低くなる傾向が見られたという。
また、意識して購入したトクホの効用については以下のような内容が上位に並んだ。
全体の傾向として「血圧が高めの方に適する」は男性高年代層、「お腹の調子を整える、便通改善」は10~30代で高くなっていたようだ。
効用を感じない人は約半数を占める
特定保健用食品購入者の中で効用を感じた人は「効用を感じた」「やや効用を感じた」を合わせて1割強という結果に。一方、効用を感じない人(「効用を感じない」「あまり効用を感じない」の合計)は約47%と大きな割合を占めた。
また、特定保健用健康食品を購入したい理由、購入したくない理由(全6229件)について、以下のような回答が並ぶ。
◆購入したい:飲むようになってからコレステロールが正常値になっている(男性76歳)
◆購入したい:審査に通っていて機能的に体にプラスになる物だと思うので、食生活が乱れている私としては、そのような物に頼りたいから(男性41歳)
◆購入したくない:値段も高いし、特に何の効力もあるのかよくわからないので、買わない(女性54歳)
◆購入したくない:トクホに頼るのではなく、普段の食生活で何となると思っている(男性65歳)
特定保健用食品は有効性や安全性について国が審議を行い、消費者庁長官が許可を与えた食品を指す。また、混合しやすいものとして「機能性表示食品(国への届け出が必要)」や「栄養機能食品(国への届け出が不要)」が存在している。事業者は消費者がそれぞれを混合しないよう、分かりやすい表記や説明を心がける必要があるだろう。