広告をクリックした5人に3人が対象ブランドを初購入 Criteoがリテールメディアの効果に関する調査レポートを発表

ECのミカタ編集部

Criteo、リテールメディアの効果に関する調査レポートを発表

コマースメディアを展開するCriteoは2024年5月23日、リテールメディアがもたらす効果に関する最新の調査レポート「TheROAS Trap」を発表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

調査概要

◆調査機関:Criteo
◆調査期間:2023年10月~12月
◆サンプルサイズ:米国、英国、フランス、ドイツ、日本、韓国、ブラジル、シンガポール、インドの9カ国の282のブランドおよび116の代理店
◆Criteoにて実施したリテールメディアキャンペーンからのデータとCriteoのリテールメディアのクライアントのオーガニックデータ
▷期間:2023年Q1~2024年Q1
▷サンプルサイズ:米国、 欧州、アジア太平洋地域における132の小売業者での44000以上のキャンペーンと66000以上のブランド
◆出典元企業:CRITEO株式会社

リテールメディアは強力な顧客獲得ツール

本レポートでは、スポンサードプロダクト広告を展開した米国のブランドや広告主はインクリメンタリティテスト(※1)において、+428%という驚くべき投資収益率(ROI)の増加を達成。EMEA(※2)のブランドや広告主は、オンサイトディスプレイ広告を展開したことでユーザーあたりの売上が160%増加したことが明らかになった。

新規顧客の獲得がますます困難になっているマーケティングキャンペーンにおいて、リテールメディアは強力な顧客獲得ツールである。本レポートではアパレルとアクセサリー、アートとエンターテイメント、健康と美容の分野において、リテールメディアの広告をクリックして購入した5人のうち3人が、当該ブランドの購入が初めてであることが示されていた。

※1:広告費が全体的なコンバージョン率に与える増分
※2:「Europe, the Middle East and Africa」の略で、ヨーロッパ、中東及びアフリカ

リテールメディアの広告枠で認知度を高める

また、広告をクリックするかしないかによって、購入単価に影響が現れることも明らかとなった。

◆広告をクリックしなかった顧客
▷商品平均単価:31.16ドル
▷平均購入総額:40.64ドル

◆広告をクリックした顧客
▷商品平均単価:34.63ドル(+11.1%)
▷平均購入総額:47.08ドル(+15.8%)

この結果から、顧客の関心をできるだけ多く獲得するには、リテールメディアの広告枠で全般に渡ってブランドの認知度を高めることが重要であるといえるだろう。

また、ブランドや広告主のインターネット上での露出度を高めるためにオンラインにさらに投資することは、オフラインの実店舗の世界でも直接影響を与える。本レポートでは、ブランドや広告主がオンラインへの投資を増やすほど、オフラインでの売上も増加することも判明した。

リテールメディアへの支出で52%が製品レビュー改善

リテールメディアではターゲットを絞ったメッセージング、リアルタイムのエンゲージメント、ロイヤルティプログラムなどを通じて、オンライン上でポジティブな会話を形成することが可能だ。こうした施策は、顧客が製品レビューやSNSを通じてポジティブな体験を共有し、ブランドのソーシャルプルーフ(社会的証明)を強化し、その他顧客の購入決定に影響を与えるだろう。

本レポートではブランドの52%が、リテールメディアへ支出することで、消費者による製品レビューが改善されていることも判明した。

近年は個人情報保護を目的に、サードパーティCookie規制が加速している。こうした状況において、リテールメディアを通じたファーストパーティデータはより重要になるだろう。複雑化する消費者動向を把握し、的確な施策を打ち出すためにもリテールメディアへの投資は有効な手段となるはずだ。本レポート内容を参考に、今後の計画を検討してほしい。

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