244事業者の表示に改善指導 消費者庁「インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示」監視結果【2024年1月~3月】

星野新【MIKATA編集部】

消費者庁は2024年(令和6年)6月3日、同年1月から3月までの期間に実施した「インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示」に対する監視および改善指導について発表。244事業者・253商品の表示について、事業者に改善指導を行ったことを公表した。

244事業者・253商品の表示に違反のおそれ

消費者庁は、「インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示」に対する監視と改善指導について、2024年(令和6年)1月から3月までの期間分を公表。その結果、インターネットで健康食品等を販売している244事業者による253商品の表示について、健康増進法第65条第1項の規定(※1)に違反するおそれのある文言等を含む表示があった。消費者庁はこれらの事業者に対して表示の改善指導を行い、当該事業者がショッピングモールに出店している場合には、出店するモール運営事業者に対しても、表示の適正化について協力を依頼したと発表している。

▼監視方法
監視期間:2024年(令和6年)1月から3月まで
検索方法:ロボット型全文検索システムを用いて、検索キーワードによる無作為検索の上、検索された商品のサイトを目視により確認

※1:消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について(令和4年12月5日一部改定)」

※引用元:消費者庁「インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示に対する改善指導について(令和6年1月~3月)」より、「直近のインターネット監視結果」

改善指導を受けた健康保持増進効果等

今回発表された「表示されていた健康保持増進効果等」の一部は以下の通り。

▼生鮮食品(農産物):6商品
美髪、美白、動脈硬化予防、メタボリックシンドローム予防、ガン予防、アルツハイマー型認知症の予防・改善に効果を有すること等を標ぼうする表示

▼加工食品(農産加工品、果実加工品、水産加工品等):28商品
生活習慣病予防・改善、風邪予防、肝機能改善、糖尿病予防・改善、認知症予防、ガン予防、アンチエイジング、美肌効果、中性脂肪やコレステロールの値を下げる効果を有すること等を標ぼうする表示

▼飲料等(茶、コーヒー及びココア調製品、飲料):18商品
悪玉コレステロール値改善、ストレス軽減、血圧・血糖の上昇抑制作用、抗菌・抗酸化作用、便秘解消、花粉症対策、アレルギー性疾患諸症状の改善、動脈硬化予防に効果を有すること等を標ぼうする表示

▼いわゆる健康食品(カプセル、錠剤、顆粒状等):201商品
・心筋梗塞や狭心症等の改善・予防、生活習慣病予防、アレルギー改善、動脈硬化予防、老化防止、精力増強、うつ改善、認知機能向上、脂肪燃焼に効果を有すること等を標ぼうする表示
・女性ホルモンの活性化に働きかけ、美肌効果、薄毛・白髪の改善、更年期障害緩和、豊満ボディの維持に効果を有すること等を標ぼうする表示

合計数は前年度を下回る。消費者庁は継続的な監視を実施

消費者庁はインターネット監視について「事業者の自主的な意思の下、健康増進法違反のおそれのある表示を修正又は削除させることにより、不適切な内容の表示を迅速かつ効率的に排除し、国民に対する正確な情報の伝達を促すことを目的として実施」しているとし、数カ月に一度、その結果を発表している。

今回の発表では2024年度(令和5年度)の合計数も発表。改善指導件数は合計で771事業者、792商品。ともに令和4年度の合計数よりも減少しているが、消費者庁では「引き続き、健康食品等の広告その他の表示に対する継続的な監視を実施し、法に基づく適切な措置を講じてまいります」としており、関連商材を扱う事業者は、改めて自社の広告に虚偽・誇大表示のないよう注意する必要があるだろう。

※引用元:消費者庁「インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示に対する改善指導について(令和6年1月~3月)」より、「インターネット監視とは」