「購入後体験」とは? EC業界相関図2024のなぜ?なに?を詳細解説!
「EC業界相関図2024」はEC業務の流れに沿って、フィールドを大きく【販売企画】【サイト構築】【サイト運営】【集客/販売促進】【顧客対応】【購入後体験】【物流】【決済】の8つに分けたうえで、41のカテゴリを設定。合計190超の関連サービスを選定しました。この8つのフィールドを、1つずつ解説し、「今年の相関図はどう構成されているのか」をお伝えする詳細解説企画の第6回は「購入後体験」です!
EC業界相関図とは
「EC業界相関図」とは、EC通販業界専門メディアであるECのミカタが、数多く存在するソリューションを独自調査で厳選し、初心者でもわかりやすく、サービスの関連性も加味し、業界を牽引するEC運営に役立つサービスを網羅的に一目でわかるようにまとめたソリューションマップです。その最新版、「EC業界相関図2024」が完成しました。
本年度版ではEC業務を大きく【販売企画】【サイト構築】【サイト運営】【集客/販売促進】【顧客対応】【購入後体験】【物流】【決済】の8つのフィールドに分けたうえで、41のカテゴリを設定。今回は6番目のフィールドとなる「購入後体験」を解説します。
【これまでの詳細解説はこちらから!】
■第1回【販売企画】編
■第2回【サイト構築】編
■第3回【サイト運営】編
■第4回【集客/販売促進】編
■第5回【顧客対応】編
購入後体験は顧客体験の中の一つ
購入後体験(ポストパーチェス)は、ECサイトで商品を購入した後の顧客体験全般を指します。具体的には、商品の到着速度や梱包・返品のしやすさ等です。購入後体験の強化は、商品のリピート率向上やECサイト自体の信頼にもつながる大事な施策の一つといえます。
今回のEC業界相関図2024では、数ある購入後体験の中でも「梱包資材」「同梱物」「返品対応」を抽出しサービスを選定しました。
商品到着時に最初に触れる「梱包資材」
商品が届いた時に、顧客が初めて目にし、触れるのが「梱包資材」。ECサイト上で商品のこだわりや思いを丁寧につづっていても、届いた時に中の商品が壊れていたり見た目が悪かったりと購入者にはネガティブな印象を与えてしまいます。
梱包資材一つとっても、ダンボールや宅配袋・クッション封筒・緩衝材など選択肢は多岐にわたるため、配送時に傷がつかないかなどの物理的条件を含め、ブランディングとしても自社商材に適しているかどうかを確認し、顧客満足度を上げることにつなげるにはどうすればいいかを加味して選ぶといいでしょう。
なお、顧客満足度に関しては、株式会社アースダンボールが調査しています。これによれば、商品が特別なダンボールで届いた際、感動してそのショップまたは商品を再び購入したいという割合は84.7%ですが、特別なダンボールで感動を与えている事業者の割合は推定で16.3%とされています(※1)。梱包の丁寧さや商品の破損がないようにはもちろんのこと、届いた時の第一印象が今後のリピート率にも顧客満足度にも大きく関わりそうです。
※1 関連記事:EC購入商品が届いた時のダンボール開梱体験、購入者の心理にどう影響?【アースダンボール調査】
開封時、目にする「同梱物」 店舗の良さが出せる場として活用
同梱物とは、商品と一緒に同封するパンフレットやチラシ、クーポンなど。商品開封時、目にすることがほとんどなので、メルマガやDMよりも読んでもらえる可能性は高くなります。例えば「よなよなエール」をはじめクラフトビールを提供する株式会社ヤッホーブルーイングの同梱物は読み物が特徴です。なかでもビールとのペアリング特集はお客様の声を生かして調理中に見やすいよう、カード型のレシピに変えるなど、顧客視点に立っている点が支持を集めています(※2)。
顧客との継続的な関係構築にもつながる同梱物。キャンペーンや新商品などがあると、追加であれこれ入れたくなりますが、入れすぎは再購入への意欲が削がれてしまう可能性があるため、パーソナライズしたものを入れることで、顧客との関係性強化につなげるとよいでしょう。
※2 関連記事:ファンこそが全て。クラフトビールで目指す最高の娯楽性
迅速な対応でファン化につながる「返品対応」
商品の不備やイメージと違ったなど、様々な理由で発生する「返品対応」。Recustomer株式会社の調査によれば、2023年度全体の返品率は6.61%。返品内訳の68.3%が顧客都合の返品となっています(※3)。
実店舗を持っているショップを除き、ECで購入する場合は実物を確かめられないため、顧客都合の返品は一定程度は発生するものといえます。事業者からすると返品受付・処理は時間を要する一方で、顧客離れを防ぐためにも迅速な対応が迫られる、重要な業務であることは間違いありません。
返品対応サービスの場合、返品受付や処理をまるっと任せられ、事業者の負担は軽くなり、対応も自社で行うより早くなるため顧客からの高評価につながりやすいと考えます。EC市場の成長に伴って返品対応サービスも増えつつあるため、自社にあう返品対応サービスを選ぶといいでしょう。
※3 関連記事:「2023年度ECサイトの返品・交換データ調査レポート」 返品率が上昇する中、「顧客都合の返品」を受け付ける事業者は昨年より約12%増加