イベント商機を逃さないための心構えとは
楽天がすでにバレンタイン特集サイトを公開
数々の百貨店ECサイトにも同様の動きが
各種イベントの商機を活用するためのタイミングは……
本番1ヶ月前に企画稼働はマスト?
楽天市場が1月6日「2015年バレンタイン特集サイト」を公開した。
さらに公開に併せ、全国の女性800名対象のバレンタインデー意識調査の結果も発表している。調査期間は昨年12月17~18日の二日間。
発表によると、過ごし方については「普段お世話になっている人に感謝を伝えたい」が1位。何かしら満足いかなかった理由については「チョコレートにあまり予算をかけられなかった」と「忙しくてチョコレート選びに時間をかけられなかった」が僅差で1位と2位。チョコレート購入のタイミングについては一週間以上前からと直前がほぼ半々という結果が出ている。
これらの結果から「感謝の気持ちを伝えたいけれどなかなか準備にかかれない」という方の割合が多い傾向にあり、じゃあ今年は1ヶ月前から準備万全で挑みましょう!……という切り口で「2015年バレンタイン特集サイト」にユーザーを誘導、という戦略を展開しているようである。
本番1ヶ月前の企画稼働に併せて下準備の調査を2ヶ月前に行う。用意周到さから、バレンタインというイベント商機にかける楽天の本気度が伺えるであろう。
一方リアルに目を向けてみると、百貨店サイドでも同様の動きが見て取れる。
東急百貨店のECサイトでは、1月10日よりバレンタインギフトの受注を開始。イベント特集ページを開設している。
高島屋でも同様に「一足お先に!」「選考予約販売」などと謡いつつ1月9日からバレンタインサイトをオープン。
三越のECサイトでは昨年12月26日より「2015三越のバレンタイン」と題した特設ページを展開。
西武池袋本店は「ネットで買えるチョコレート」というコピーで同様のページを開始している。
百貨店の地下食品売場といえば、イベント食材購入の駆け込み寺的なイメージがあるが、ことECにおいては1ヶ月以上前から準備を行うのが主流であるようだ。
1ヶ月前からECで種を蒔いておき、直前駆け込み需要は実店舗で刈り取る、ということは百貨店ならどこも当たり前に展開する動きなのであろう。気の早い店舗ではイベントコーナーに「ひな祭り」の文字も見られ、こうなるともはや年中イベント一覧の様体に近くなってくる。
自社商材とマッチしたイベントを押さえよう
楽天と百貨店のバレンタインサイトから見ると、商機を取り込みたいイベントは本番1ヶ月前には企画の稼働スタート、というくらいの姿勢がスタンダードのようだ。実際には楽天のように2ヶ月前くらいから水面下で動いておく必要がありそうである。
見てる側の意見としては「まだ1月なのにずいぶん気が早いな」という側面もなくはないが、余裕をもってイベントに臨みたいユーザーにはリマインド的な意味も含め丁度いいペースなのかもしれない。
しかし、イベントは商機だといっても、全てのイベントに対し2ヶ月前から動いて対応していくには骨が折れる。当たり前の話だが取捨選択も必要になってくる、扱う商材がどのイベントに強みを発揮できるか、もしくわイベントに盛り込めるかをよく考えることが重要である。
自社商材をためつすがめつし、数ヶ月先の商機を想定する習慣を身につけておけば、そこには意外なチャンスが潜んでいることもありうるだろう。