セイノーHD、三菱電機ロジを連結子会社化 特積みのセイノーからロジのセイノーへ 

宮地彩花【MIKATA編集部】

セイノーホールディングス株式会社(代表取締役社長:田口義隆、以下 セイノーHD)と三菱電機株式会社(執行役社長:漆間啓)は、2024年6月18日に、三菱電機が保有する三菱電機ロジスティクス株式会社(取締役社長:四方壽一)の普通株式の一部(所有割合66.6%)のセイノーHDによる取得に係る株式譲渡契約書および本取引後の三菱電機ロジスティクスの事業運営等に係る株主間の取り決めを定めた株主間契約書を締結したことを発表した。本取引は、関係当局の承認を前提にして、最終的な株式譲渡は2024年10月1日を目途に実施する予定だという。

特積みのセイノーからロジのセイノーへ

本取引により三菱電機ロジスティクスは三菱電機の子会社からセイノーHDの子会社に異動する。所有割合にしてセイノーHDにおいては66.6%、三菱電機は33.4%の株式を保有する予定だ。

物流業界の人手不足に起因する「運べないリスク」や荷主の取扱商材の多様化、生産拠点および販路のグローバル化を背景に2023年3月27日からセイノーHDは、グループ4社を統合し「新・西濃運輸」としてロジスティクス事業の強化を進めてきた(※1)。

輸送グループ内の営業ノウハウを集約するため、ロジスティクス部を西濃運輸からセイノーHDへ移管。特積みの優位性をいかした幅広い顧客層に対応するロジスティクス事業部に加え、3つの業界特化型(エレクトロニクス・ヘルスケア・オートモーティブバッテリー)の事業部を新設、専門的な知見から物流ソリューションを提案する営業組織にトランスフォームするなど組織編成を行っている。

※1 出典元:グループ4社統合 新・西濃運輸スタート 2023年3月27日(セイノーホールディングス株式会社)

三菱電機ロジ、セイノーHDの有する国内外の輸送インフラやネットワークを活用

一方で、三菱電機ロジスティクスは三菱電機のインハウスの物流会社として、事業共通の課題である国内物流2024年問題への対応や、国際間輸送入札の集約等、三菱電機グループ全体のサプライチェーンの最適化を推進してきた。三菱電機の事業、製品等に精通し、取り扱いを十分に把握しているという強みを持った上で物流業務を提供しているため、三菱電機グループの物流の品質向上と効率化に貢献している。

今回の取引により、セイノーHDは三菱電機ロジスティクスが有する大型機器・設備等の特殊輸送、半導体や精密機械の輸送に関するノウハウおよび、ロジスティクスセンター等の資産を活用することで、エレクトロニクス領域における対応力を強化し、顧客のサプライチェーン最適化に貢献。これにより「ロジのセイノー」に向けロジスティクス事業を飛躍的に成長させることが可能に。

また三菱電機ロジスティクスがセイノーHDの有する国内、海外の輸送インフラおよびネットワークや情報システム、デジタルプラットフォーム等を活用することにより、調達から販売までの物流をさらに効率化し、安定的な供給網を確立するとした。