JR東日本、新幹線荷物輸送「はこビュン」の事業化検証を開始 新青森から東京間で
東日本旅客鉄道株式会社(以下:JR東日本)と株式会社ジェイアール東日本物流(以下:JR東日本物流)は2024年7月8日、社会的課題の解決の一助を担うことを目的に高速・多量輸送の事業化検証を実施することを公表した。
新青森駅〜東京駅間で実施
本取り組みは、2023年度に4回実施した多量輸送トライアルでの成果や課題などを踏まえて行われる。主な概要は以下の通りだ。
◆実施日
▷2024年7月12日、19日、9月6日、13日、20日
※上記実施日以降も、引き続き事業化検証を実施予定
◆輸送列車:東北新幹線 臨時列車 はやぶさ12号(E5系10両編成)
◆輸送区間:新青森駅8:29発→東京駅11:44着
◆輸送形態
荷物輸送:1~2号車
旅客発売:3~10号車
(普通車指定席:3~8号車、グリーン車:9号車、グランクラス:10号車、TRAIN DESK設定あり)
◆荷量:最大300箱程度
◆輸送品:引越家財、鮮魚ほか
※輸送列車・搭載号車等は変更となる場合があります、また荷量は荷姿・サイズにより変動
ニーズの確認やオペレーションの検証などを実施
多量輸送を今後定期的なサービスとして事業化することを見据え、実際のニーズの確認やオペレーションの検証などを実施するものである。
◆旅客営業列車への貨客混載による高速・多量輸送の事業化に向けた検証
旅客営業列車を活用した貨客混載輸送による、高速・多量輸送の事業性について確認する。
◆客室輸送専用台車を活用した荷扱い(荷物搬出入、積み下ろし、荷捌き)の検証
40箱/列車(※1)を超える輸送ニーズへの対応として、客室輸送専用台車の活用を基本に、ホーム上での安全に配慮した効率的な荷扱いを確認する。
◆新たなパートナーとの連携による輸送の検証
新たなパートナーとの連携による、新幹線を活用した高速・多量荷物輸送の新しい輸送ニーズについて確認する。
※1:フル規格新幹線(E5系の新幹線等)の車内販売準備室における1列車あたりの積載上限
※画像元:新幹線荷物輸送「はこビュン」による高速・多量輸送の事業化検証を開始します(東日本旅客鉄道株式会社)
2025年度中の事業化に向けて取り組む
JR東日本は今回の事業化検証に対して、以下のようにコメントしている。
「新幹線の特性を活かして地方と都心をスピーディに繋ぐとともに、新たなパートナーとの連携を進めることで、引き続き社会的な課題解決の一助となることを目指します。また、2023年度に実施してきたトライアルで得た知見と2024年度に実施予定の事業化検証の結果を基に、2025年度中の事業化に向けて取り組みます」
引越家財を扱う新たなパートナーとの連携は今回初となる。JR東日本は、今後もこれまでのトライアルで得た知見を活かしつつ、輸送の幅を広げていき、2025年度中の事業化に向けて取り組む姿勢を見せる。「物流の2024年問題」や「CO2排出量削減」「地方創生」に繋がる取り組みとして、検証結果の動向に期待が集まるだろう。