Hacobu、業界横断型の「物流ビッグデータラボ」創設へ ビッグデータ共有による共同配送を目指す
株式会社Hacobu(以下:Hacobu)は2024年8月23日、企業間で物流データを共有し、個社や業界の垣根を超えて物流の社会課題解決を目指す「物流ビッグデータラボ」を創設することを発表した。
ビッグデータ共有による共同配送を目指す
物流ビッグデータラボでは、企業間で物流データを共有し、個社や業界の垣根を超えて物流の社会課題解決および共同輸配送の実現を目指す。主な目的は以下の通りとなっている。
◆企業間での物流ビッグデータの共有と分析による共同輸配送の実現
◆物流効率化に向けた「データドリブン・ロジスティクス」の普及
◆モノが運べない事態になることを回避し、社会貢献につなげる
第1回のラボにはアスクル株式会社、キリンビバレッジ株式会社、株式会社スギ薬局、日本製紙株式会社、YKK AP株式会社が参画し、企業間で物流ビッグデータを共有・分析することによる共同輸配送を目指す。また、カーボンニュートラルの実現、ドライバー不足などの労働力問題の解決に寄与し、持続可能な物流インフラの構築も進められる。
スピーディで効率的な議論や検証を実現
深刻な課題に直面している物流業界において、現在「共同輸配送」が有効な解決策として注目を集めている。従来個別に行われていた複数企業の配送を、トラックやコンテナなどを共同利用してまとめて行う手法であり、慢性的な労働力不足の緩和、CO2排出量の削減といった複数の課題解決が期待されている。
しかし、共同輸配送を実現していく上では、様々な課題に直面する。多くの場合、まずは一度の固定的なデータ分析に基づいて実施されるケースが多いが、運ぶ貨物の量や頻度は季節等で変動するため、固定的な座組では変化に対応できないのが実情だ。
こうした状況に対して、Hacobuが展開するクラウド物流管理ソリューションMOVOと物流DXコンサルティングHacobu Strategyを活用。「物流ビッグデータ」の基盤が整ったことで、分析のために各社がデータを持ち寄るというステップを省き、共同輸配送の実現に向け、企業間でよりスピーディで効率的な議論や検証を実現することが可能となった。
※画像元:業界横断型の「物流ビッグデータラボ」創設(株式会社Hacobu)
サプライチェーン最適化に貢献
株式会社Hacobu代表取締役社長CEOである、佐々木太郎氏は本件について以下のようにコメントしている。
「物流を最適化するためには、企業間の協力が必要です。そのためには、企業間でデータを直視しながら、将来像を描く必要があります。では、企業間でデータを直視するにはどうしたらよいか?そのためには同一の仕組み上で生成されたデータを活用していくことが一番の近道と確信しています。私たちは、各企業の皆さんと、データを軸にした新しいオープンイノベーションを共創し、日本の物流を革新します」
初年度は物流ビッグデータを基にした共同輸配送の実例創出に取り組み、中長期的には、参画企業の拡大と多様な業界からの参加促進を図るとともに、自動運転時代を見据えたデータ活用基盤の構築を進めるとしている。
「物流ビッグデータラボ」が日本全体のサプライチェーン最適化に貢献することが期待される。今後の動向、展開に注目したい。