三井不動産、独自のオムニサービス・プラットフォームを新たに開発
三井不動産株式会社(以下:三井不動産)は2024年11月27日、商業施設事業におけるオムニチャネル戦略の一層の推進に向けて、独自のオムニサービス・プラットフォーム(以下:本プラットフォーム)を新たに開発し、その運用を開始した。
「探す」から「見つかる」ECサイトに
本プラットフォームは、株式会社NTTデータ、チームラボ、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社、ならびに株式会社システムエグゼの受託・協力のもと、三井不動産が独自に開発したシステムとなる。主な特徴は以下の通りだ。
◆新サービス開発に向けた拡張性の飛躍的な向上
▷マイクロサービスアーキテクチャ(※1)の採用によって、同時並行的なシステム開発が可能に
▷各種API(※2)を実装し、生成AIなどを活用したサードパーティ・サービスとの連携が容易に
◆ EC基本性能のさらなる強化
▷ECフロント画面のUI/UXや商品レコメンド機能を刷新し、「探す」から「見つかる」ECサイトに
▷商品・在庫情報の登録・更新方法を改善し、ショップがより出店・販売しやすいECモールへ
◆アウトレット専用EC機能の実装
▷アウトレットモール「三井アウトレットパーク」の出店ブランド取扱い商品を販売
▷B品商品の取扱いやシークレットセールなど、アウトレットならではの購買体験を提供
※1:ソフトウェア開発技法の1つで、サービスを構成している要素を小さな機能に分割して実装する方法
※2:ソフトウェアやプログラムをつなぐためのインターフェイス
オムニサービスの進化・創出に取り組む
現在、株式会社SUPER STUDIOとのパートナーシップのもと、本プラットフォームの拡張性を活かして、以下のようなオムニサービスの進化・創出に取り組んでいる。
◆ららぽーとクローゼットのDX推進
ららぽーとクローゼットは、&mallに出品されているファッションアイテムを集めた、ショールーミングストアである。これまで紙で手渡しとなっていた試着商品の情報や体験サービスにもとづくカラー診断や3D骨格診断の情報を、会員情報と紐付けデータ管理・分析し、最適なタイミングとコミュニケーションチャネルでレコメンドすることで、ららぽーとや&mallの販売商品の中から、「自分に似合うファッションアイテム」をさらに簡単に見つけることができる。
◆館内まとめて試着・購入サービス
従来の買い物方法を見つめ直し、顧客が各店舗から商品を自由に持ち出し、最後にまとめて比較・購入できる新たなサービスを検討する。また、施設来館後においても、顧客の商品持ち出し・購入・返却履歴を分析し、パーソナライズした形で、施設や&mallの商品・キャンペーン情報を届けることを企図している。
※画像元:三井不動産独自のオムニサービス・プラットフォームを新たに開発・稼働(三井不動産株式会社)
新たなサービスの創造に取り組む
三井不動産は、「三井ショッピングパーク ららぽーと」を始めとする商業施設とECそれぞれの強みを掛け合わせて顧客へ新たな購買体験を提供する、「オムニチャネル戦略」の推進を企図して、三井ショッピングパーク公式通販サイト「Mitsui Shopping Park &mall(以下:&mall)」を2017年11月に開始した。
以来、&mall注文商品の無料受取・返品を可能にする「&mall DESK」の全ららぽーとへの導入や、骨格診断やコーディネート提案の各種サービスが受けられる体験型ショールーミング店舗「LaLaport CLOSET」の開設など、様々なオムニサービスを推進している。
本プラットフォームは、これまでのサービス創出スピードをさらに加速させ、多様化する顧客の購買行動に応えていくために開発された。
今後は前述した企画・構想中のオムニサービスに加えて、小売ブランド・各種サービサー・システムベンダーなどの業種業界を超えて、海外企業やスタートアップまで、広くパートナーと連携し、新たなサービスの創造に取り組むとした。