DHL Express、アジア太平洋地域のネットワーク強化 国際貨物量は2023年比6%増
DHL Expressは、2024年にアジア太平洋地域における航空ネットワークと地上施設を強化し、その成果として同地域発着の国際貨物量が2023年比で6%増加したことを発表した。
東南アジアの成長需要に対応
同社は今回の発表に際して「この成果は、アジア太平洋地域が今後も世界貿易において重要な役割を果たし続けることを示している」として、地域ごとの取り組みをまとめている。
発表の中で最初に言及されたのは、若い労働力や多くの貿易協定などにより世界貿易において注目が集まる東南アジア。DHL Expressは昨年、東南アジアにおける貨物量の増加に対応するため、中核となる施設を拡張。シンガポールのチャンギ空港近くにある「南アジアハブ」は、2021~2022年20%以上の貨物量増加を受け、将来の成長を見据えて施設を拡充させた。
同ハブには、シンガポール航空運航によるDHL所有のボーイング777貨物機5機が配備されている。1200トン以上の積載能力が追加されたことで、アメリカ・アジア間の輸送時間が最適化され、両大陸間の貿易強化につながったという。
さらに、2024年10月にはマレーシア・クアラルンプールに最新のゲートウェイを開設し、特に電気・電子機器製造の調達拠点としてマレーシアの貿易を支えている。
EC需要期にも顧客をサポート
その他地域においても、専用便がシドニーと香港の間で運航されるようになり、オセアニア地域からの接続性がさらに向上するといった拡充が行われている。香港に到着した貨物は、中国本土、インド、韓国、日本、マレーシア、台湾、タイ、フィリピン、ベトナムに翌日配達サービスを提供している。
また、香港は中国本土と世界をつなぐ貿易の重要なゲートウェイである。DHL Expressは、貿易需要の高まりに対応する香港特別行政区の接続性をさらに強化するため、香港ウエストサービスセンターを開設。この施設は1日あたり5万個以上の貨物を処理することができ、世界的な環境性能認証であるLEEDゴールド認証を取得している。
DHL Expressアジア太平洋地区CEOのケン・リー氏は「これらの強化により、消費者向けeコマースの需要がピークを迎える繁忙期にも、お客様をサポートする準備が整っています」とコメントしている。物流ネットワークの強化は越境ECの成長にとって欠かせない要素。アジア太平洋地域におけるEC市場発展を後押しする取り組みとして、引き続き動向を追っていきたい。