インターネット詐欺手口、7割以上が「偽販売サイト」 BBSS調査

ECのミカタ編集部

インターネット詐欺リポート2024年 2024年はサポート詐欺が急増、前年比2.6倍に増加 「詐欺ウォール」が検知した詐欺・不正サイトの検知数(年次比較)

BBSS株式会社は2025年3月27日、「2024年版 インターネット詐欺リポート」を公表した。同レポートはセキュリティソフト「詐欺ウォール®」の検知エンジンを強化するために調査・収集しているインターネット詐欺サイトを分析したもので、今回発表された「2024年版」は同年の傾向をまとめた内容。これによれば、ネット詐欺の手口の割合は「偽販売サイト」が7割以上を占めたという。

偽販売サイトが75.7%、偽ソフトウエアは報告数が減少

「2024年版 インターネット詐欺リポート」によれば、2024年に報告・収集されたインターネット詐欺手口では「偽販売サイト」が7割以上を占めた。「偽販売サイト」は、購入手続きが完了しても商品が発送されない、または粗悪品が送り付けられる可能性があるサイトで、BBSSでは「購入したのに商品が送られてこない」「粗悪品が送られてくる」「個人情報を詐取される」といった被害にあう可能性があるとしている。

※画像元:2024年版インターネット詐欺リポート(BBSS株式会社)

「偽販売サイト」はブランド品、日用品などさまざまな商品のサイトが作成されており、(下図のように)報告・収集数は増加。2024年は前年の62.4%から75.7%と伸びている。

一方、2022年、2023年と報告数の多かった「偽ソフトウエア」の報告数は減少した。

サポート詐欺は前年比2.6倍に増加

また、2023年から増えていたという「サポート詐欺」は、2024年は前年比の2.6倍に増加。サポート詐欺の手口はさまざまで、セキュリティソフトからウイルスに感染したなどの偽の画面を表示させる、英語や日本語で警告のアナウンスを流す、Windowsでは全画面表示となり操作がしづらくなるなどの演出で不安をあおる。そして画面に記載されたサポート窓口に連絡をすると、サポート代金として金銭を要求されたり、悪意のあるソフトをインストールさせられたりするものだ。

また、フィッシング詐欺のカテゴリではクレジットカードカテゴリの構成比が31.5%とトップに。前年比で約11%増加しており、さまざまなクレジットカードブランドのフィッシングサイトが登場しているという。

※画像元:2024年版インターネット詐欺リポート(BBSS株式会社)

2025年もフィッシングサイトや偽販売サイトが増加する可能性

2024年はサポート詐欺などが大きく増加しており、前年とは違う傾向が見受けられた。

URLの作成方法にも特徴があり、Google翻訳のURLを利用した手口が多く確認されたという。「詐欺サイトをGoogle翻訳にかけてGoogle翻訳ドメインのURLを作成し、そこからリダイレクトさせて、詐欺サイトへ誘導する手口で、メールやSMSのフィルタリングを回避するために行っている可能性がある」と本レポートでは指摘している。

BBSSは今後について、「2025年もフィッシングサイトや偽販売サイトが増加する可能性が高いため、注意が必要です」と予測している。顧客の安全を守り、健全な市場発展につなげるためにも、各事業者は最新の動向を確認し、適切な対応を心がけたい。


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事