日本通運がAIを活用した出荷予測サービスを開始 D2C向けの在庫管理をサポート
日本通運株式会社(以下、日本通運)は2025年4月3日、D2C向け物流Webアプリ「DCX(デジタル・コマース・トランスフォーメーション)」において、AIを活用した出荷予測サービスを新たにリリースしたことを発表した。
月別出荷数量を短時間で予測可能
「DCX」が提供するAIを活用した出荷予測サービスでは、在庫管理を委託している顧客へ向けて、蓄積された過去の出荷データを基に、AIを活用してアイテムごとの月別出荷数量を短時間で予測できる。
さらに、「DCX」のオプションメニューである「Business Insight」を活用し、「エリア別の出荷状況」や「期間別の在庫量」など、必要なデータをサブスクリプション(定額課金)サービスとして提供し、販売やマーケティングの分析に利用できる。
出荷予測サービスでは、最大3カ月先までの出荷数量を、上限から下限までの3パターンで予測。過去のセールやキャンペーンなど予測における「例外値」の除外や、対象の納品先の特定など、様々な視点から予測精度の改善や検証を行う仕組みも設けている。
「DCX」を活用した在庫管理は、NXグループの経験やノウハウを活かしながら運用されており、同社では「正確な出荷予測を算出するための物流データについても、鮮度や精度の高い情報を蓄積することができる」としている。
AIで精度の高い出荷予測を実現させる
ECサイトの運営や取引先へのスムーズな納品に欠かせないのが、適切な在庫管理である。
日本通運は在庫管理について、「売れ残りによる過剰在庫や、品切れによる販売機会の損失を防ぐため、過去の出荷実績に基づき最適な発注数量を算出する必要があります。しかし、従来の管理方法は長年の経験と勘に頼る属人的な作業が多く、正確性や効率性が課題となっていました」と述べる。
同社はこうした課題を解決するため、D2Cを推進する事業者へ向け、入出荷履歴や在庫明細をリアルタイムで確認できる物流Webアプリ「DCX」を2023年4月から提供してきた。
そして今回、蓄積された過去の出荷データを活用し、AIによる出荷予測サービスを新たに開発・提供するに至った。D2C向けの在庫管理を強力にサポートし、AIによる高精度な出荷予測を実現するサービスとして期待される。
日本通運は今後も、ECをはじめとするD2C領域で、デジタルや最新技術を活用し、顧客ニーズに応じた新たな価値創造や社会課題の解決に積極的に取り組む方針だ。