だし専業メーカー福島鰹、自社ECサイトに「だしAI」実装 だしに関する疑問・悩みに回答

ECのミカタ編集部

京都のだし専業メーカー福島鰹が開発、だしに特化したチャットボット「だしAI」のサービスを開始

京都市に本社を置く、だし専業メーカー福島鰹株式会社(以下、福島鰹)が、自社ECサイト「だしナビ」上にて、だしに関する疑問や悩みに答えるAIチャットボット「だしAI」サービスの提供を開始した。

「だしの専門家」に直接質問しているようなユーザー体験

「だしナビ」は、だしに関する知識やレシピを集約した福島鰹の公式通販サイト。だし素材を50アイテム用意しており、飲食店向けだけでなく家庭用の商品も取りそろえる。

今回、同サイト上に実装した「だしAI」は、だしに関する疑問や悩みに即座に答えるAIチャットボット。幅広いユーザーに向けて、基礎知識や商品提案、使い方のアドバイスなどを提供。同社は「『だしの専門家』に直接質問しているような体験を通じて、だしをもっと身近に、もっと手軽に活用できるようサポートします」としている。

◆「だしAI」の主な機能
▷だし診断:ユーザーの調理スタイルや好みに応じて、最適なだしを提案
▷だしに関するQ&A:「だしの取り方は?」といった質問に回答
▷商品選びのサポート:料理に合うだしなどを提案
▷レシピ・活用アイデアの提案:家庭料理、飲食店向けメニューなどに対応

※画像参照:だしナビ(福島鰹株式会社)

だしの専門知識を気軽に活用できる環境を提供

同社によれば、近年の健康志向の高まりや和食人気により「だし」への関心が高まっているが、若い世代を中心に「だしをどう使えばいいかわからない」「どの商品を選べばいいの?」といった悩みを持つ人が多いのという。

また、この背景には、顆粒だしや各種調味料といった手軽なだし製品に幼い頃から慣れ親しんでいる人が増え、かつては家庭の台所で祖母や母親から自然と学ぶことができた「だしの取り方」を学べる機会が減っていることなどがあげられるとも。

さらに、飲食業界では効率的に安定した品質のだしを活用したいというニーズがあり、プロ向けのアドバイスを求める声もあるという。

同社はこうした悩みの声やニーズに応えるべく、100年以上の歴史を持つ“だしの知見”を活かし、AIを活用したサポートツールを開発。だしの専門知識を気軽に活用できる環境を提供することで、一般家庭からプロの現場まで、だしの可能性を広げることを目指すとした。

京都発のスタートアップ、80&Companyと共同開発

今回スタートされた「だしAI」は、京都発のスタートアップで企業の新規事業開発、システム開発、AI・アプリ開発などを手掛ける株式会社80&Companyと共同開発された。

福島鰹の代表取締役社長 福島武彦氏は、「『だしAI』は当社製品の販売促進のみを目的としたツールではありません。当社の製品やECサイト上の情報と直接関係のない内容であっても、だし全般について汎用的な回答を得ることができます」とコメント。

今後についても、「『だしAI』によって世界中の人々に和食文化を広げるなど大きなビジョンも描いてはいますが、まずは目の前のお客様に喜んでいただくことが最優先だと考えています。『だしAI』をきっかけにだしを使う人が1人でも増えていくことが、結果として和食文化や食育への貢献にもつながるものだと信じております」と続けた。

世界初(※)となる「だし」に特化したチャットボットサービス「だしAI」は、専門的でありつつも、その回答文の表現は親しみやすいものとなっている。販促への導線としての役割はもちろん、より多くの層に「だし」の魅力を広めるきっかけとなりそうな、興味深いAIサービスと言える。

※80&Company社のコメントより