物価高騰が続く中、消費者は「PB商品を」どう捉えている? カウネット調査
株式会社カウネットは2025年6月25日、コミュニティサイト「カウネットモニカ」会員1272名を対象に実施した「プライベートブランド品(PB商品)の購入について」の意識調査の結果を公表した。本調査では、“最近の物価高騰に対して抱いている感情”は「不安」が32.5%と1位となり、物価の高騰が与える心理的影響の大きさも明らかになった。
調査概要
◆調査テーマ:「プライベートブランド品(PB商品)の購入について」の意識調査
◆調査期間:2025年5月14日~5月20日
◆調査対象:「カウネットモニカ」会員の中から全国の男女合計
◆調査人数:1272名
◆調査方法:インターネット調査
◆出典:物価高騰下におけるプライベートブランド商品の購入実態と意識調査(株式会社カウネット)
物価高への感情は「不安」がトップ
本調査で「物価高騰に対してどのように感じているか」を質問したところ、最も多かったのは「不安」(32.5%)、次いで「諦め」(26.1%)、「腹立ち」(21.5%)と、全体的にネガティブな感情が多数を占めた。
一方、「希望(改善されることを期待)」は11.8%、「妥当・当然(物価は上がるべき)」は4.7%と、前向きな回答は2割弱。多くの人が先行きに対して不透明感を抱いており、物価上昇が生活に与える心理的影響の大きさが感じられる。
そうした最近の物価高に対して、自宅と職場のそれぞれでどのように対策しているかのを質問すると、自宅では「ポイントやクーポンを活用する」(71.1%)、「セール品や特売日に買う」(70.8%)、「必要なもの、数だけを買う」(65.3%)といった、支出を抑える工夫が主流に。職場では「必要なもの、数だけを買う」が65.3%と他を大きく上回っている。
この結果についてカウネットは、「職場でも節約意識は見られるものの、個人と比べて対応は限定的であり、業務上の必要性や裁量の違いが影響しているのではないか」と分析する。
約9割がPB商品を購入
また、PB商品の購入状況を聞いたところ、「特に意識してはいないが購入している」が最も多く42.3%を占め、「以前から意識して選んで購入している」(37.7%)を上回った。さらに、「最近意識して購入するようになった」は9.0%を占め、合計すると約9割がPB商品を購入している事実が明らかとなった。
PB商品を購入する理由として最も多かったのは「価格が安い」で、自宅では74.0%、職場では66.6%と、いずれもトップとなった。
また、「品質がよい」(自宅21.6%、職場18.7%)や「販売元が信頼できる」(自宅20.6%、職場17.8%)といった信頼性にも関心が示されており、安さと安心の両立がPB商品選択の鍵となっている様子がうかがえる。
「PB商品の有無」が購入先の選定理由にも影響
また、職場での購入先を選ぶ際に「その購入先のPB商品の存在が影響するか」を聞くと、「とても影響する」が15.9%、「まあまあ影響する」が57.3%と、多くの人が「PB商品の有無が影響する」と回答。PB商品が購入先の判断材料にもなっていることも明らかになった。
PB商品に対して消費者は特別な意識を持たず、生活に定着している様子がうかがえる今回の調査。物価高騰に対する消費者マインドと照らし合わせながら、事業者としては今後の施策立案のヒントとしてほしい。
※1:メーカーが卸、小売業者に販売する自社商品を指す