TikTok Shop、日本で提供開始! 新たな購買体験「ディスカバリーEコマース」実現へ

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ECのミカタ編集部

ショートムービープラットフォーム「TikTok」が提供するEC機能「TikTok Shop」が、いよいよ2025年6月30日より日本でも本格展開される。それに先駆けて、2025年6月27日、メディア向けの先行ブリーフィングが開催された。当日は、TikTok Shop Japan ゼネラルマネージャー・執行役員の邱 開洲(Carlos Qiu)氏が登壇し、日本市場における戦略や今後の展望を語った。

「TikTok Shop」は、ショート動画やLIVE配信から商品と出会い、そのまま購入まで完結できる“ディスカバリーEコマース”として注目を集めており、当日はその具体的なサービス内容や運用の方向性が紹介された。

TikTokアプリ内のショッピング対応コンテンツとして直接販売

日本国内において毎月数千万人のユーザーが利用するTikTokでは、幅広いクリエイターが発信するコンテンツやエンタメ動画など様々な動画が楽しまれている。今回、提供が開始される「TikTok Shop」では、ユーザーが自分に合った魅力的なコンテンツをTikTok上で発見し、そのまま購入できるサービス。

現在、日本では「TikTok売れ」のようにコミュニティ主導のトレンドを通して、お気に入りの商品を発見し、共有することが主流になっている。「TikTok Shop」では、ショッピング機能付きの動画やライブ配信を「おすすめ」フィードに表示することで、ブランドやセラー、クリエイターがTikTokアプリ内のショッピング対応コンテンツをとして直接販売できるようになる。

◆「TikTok Shop」導入動画

◆「TikTok Shop」のユーザーインターフェース

「ディスカバリーEコマース」の主な機能

同社は、ショッピング動画やLIVE配信を通じた商品との出会い、そして購買に至るまでに新しい体験を「ディスカバリーEコマース」と位置づけており、主な機能として以下の6つを紹介した。

TikTok Shop Japan ゼネラルマネージャー・執行役員の邱 開洲(Carlos Qiu)氏

◆ショッピング動画およびショッピングLIVE配信
企業やブランドは、ショッピング動画では商品の主な特徴をデモンストレーションして強調可能。LIVE配信では商品紹介と同時に、リアルタイムでユーザーと対話しながら質問に答えられる。

◆商品ショーケース機能
各ブランドのプロフィールページにて、商品一覧の閲覧やレビュー確認に加えて、商品の直接購入が可能。自社ブランドの世界観に沿った商品コレクションを自由に構成できる。

◆ショップタブ
「ショップ」タブでは企業の商品を一覧掲載できるほか、ユーザーは検索機能を活用して商品を発見し、購入できる。注文管理やおすすめ商品の表示なども、同タブ内で完結する(※1)。

◆アフィリエイトプログラム
クリエイターはショート動画やLIVE配信による商品紹介で報酬を得られる。セラーは自社ブランドに最適なアフィリエイトプランを選択することで、効果的な商品訴求が実現できる。

◆TikTok Shop広告
TikTok Shopの広告ソリューションにより、セラーは自社商品の認知拡大および購買促進を図ることができる(※2)。

◆安全な決済体制
信頼性の高い外部決済プラットフォームと連携し、迅速かつ安全な決済体験を実現。

多様な日本・グローバルブランドが参画

「TikTok Shop」は日本国内の大企業から中小企業まで幅広くサポートしており、すでに以下のような企業が参画している。

◆アンカー・ジャパン株式会社
◆株式会社ウィゴー(WEGO)
◆日清食品株式会社
◆株式会社丸善ジュンク堂書店
◆ヤーマン株式会社
◆株式会社yutori
◆ユニリーバ・ジャパン
◆株式会社Yogibo
◆株式会社ラコステジャパン


TikTokでのビジネスを支援するために、「TikTok Shop Partner(TSP)」「コマースプラットフォームパートナー」といったパートナー制度を導入。ビジネスオペレーションの効率化を図りつつ、提供サービスおよびサポート体制をさらに強化する方針だ。

なお、「TikTok Shop」に掲載される全ての商品は、「TikTok Shop」ポリシーおよびコミュニティガイドラインに準拠する必要がある。

TikTokでは、技術と人間によるモデレーション審査を組み合わせることで、ポリシーの遵守を徹底しており、ガイドラインに違反していると判断されたセラーや商品については、削除等の対応を行うとした。

EC化率10%未満の日本は大きな伸びしろがある

ブリーフィングの締めくくりに邱氏は、日本市場における「TikTok Shop」の可能性について次のように語った。

「TikTokは日本国内で月間約3300万人以上のアクティブユーザーを抱え、強力なコミュニティを形成しています。こうした基盤を活かし、Eコマース領域でも新たな価値を提供していきたい。『TikTok Shop』は他国での成功事例を踏まえ、日本市場での成長も目指しています。特に日本のEC化率は10%未満と、まだ大きな伸びしろがあると見ています」

さらに、日本は「TikTok Shop」として17番目の展開国であり、「アジアの先進国として、どの国と似たような市場になるのか、非常に楽しみにしています」と期待を込めた。

国内EC市場に大きな影響を与えるであろう「TikTok Shop」の動向を、引き続き追っていきたい。

※1:TikTok Shopの各機能は段階的にローンチ予定。「ショップタブ」はローンチから数カ月後に導入予定
※2:「TikTok Shop広告」は2025年7月中に利用可能となる予定