nugu、オンラインとオフラインの統合戦略始動 渋谷PARCOに初の常設リテール店舗
ファッションECプラットフォーム「nugu」は、韓国の現代百貨店と連携し、東京・渋谷PARCOに常設型の韓国ブランド専門店を2025年9月19日にオープンすることを発表した。同店舗は現代百貨店が推進するグローバル展開プロジェクト「THE HYUNDAI GLOBAL」における日本初の常設リテール拠点となる。
常設店舗とオンラインの両方でブランドに触れる
「nugu」が9月19日に渋谷PARCOにオープンする店舗は、短期のポップアップではなく、1~2カ月ごとに取り扱うブランドを入れ替えて展開する「ローテーション型」の常設店舗。第1弾ブランドには、韓国国内外のZ世代から支持を集める「TREEMINGBIRD」が登場する。
常設店舗の開業にあわせて、nuguは自社内ECモール内に「THE HYUNDAI GLOBAL館(仮称)」を新設。日本の顧客が店舗とオンラインの両方でブランドに触れ、購入できる仕組みを整える。
さらに、今後は台湾・香港などアジア主要地域への拡大も視野に入れており、現地パートナー企業との協業を通じてポップアップやデジタル施策を組み合わせたグローバル戦略を推進していく計画とした。
渋谷PARCOに登場する第1弾ブランドは「TREEMINGBIRD」
2026年までに5店舗の常設ショップを展開予定
これまで現代百貨店は、渋谷PARCOや大阪・大丸百貨店などで複数回にわたりポップアップストアを実施してきた。今回の渋谷店舗は初の常設店舗であり、持続的にブランドを紹介できる点で大きな意義を持つと言える。
nuguは2024年5月に現代百貨店から約300億ウォン(約30億円)の戦略的投資を受け、日本現地でのオフライン事業を本格化。今回オープンする渋谷PARCO店でも、nuguが持つプラットフォーム運営ノウハウと顧客キュレーション力が重要な役割を担うという。
渋谷PARCOを皮切りに、2026年までに日本主要エリアで5店舗の常設リテールショップを展開予定。また2026年上半期には、東京・表参道に大型旗艦店をオープンする計画で、これにより、短期イベントでは難しかった長期的なブランド価値構築と顧客接点の拡大を実現する方針を掲げる。
グローバル展開における本格的な転換点
本件について、nugu CBOのパク ハミン氏は次のようにコメントしている。
「渋谷での常設店舗は韓国ブランドのグローバル展開における本格的な転換点です。これまでのポップアップが“テスト”や“反応確認”に重点を置いていたのに対し、今後は安定した流通基盤と顧客データをもとに、ブランドの持続的な成長を支援していきます」
韓国発のファッションブランドの日本展開を加速させると同時に、オンラインとオフラインの統合をさらに推進する試みとして、特にアパレル業界から注目を集めそうだ。