メルカリ、新アプリの提供と事業者向け越境EC基盤の強化でグローバル展開を加速
株式会社メルカリは2025年9月30日、越境取引事業の新戦略を発表した。
グローバルでの事業拡大を目指す
本戦略では、メルカリ初の世界共通アプリ「メルカリ グローバルアプリ(以下、グローバルアプリ)」の提供を開始するとともに、国内事業者向け越境EC基盤を強化する。
「グローバルアプリ」を使用することで、海外の購入者は日本の「メルカリ」と「メルカリShops」の商品を閲覧・購入可能。言語や決済、複雑な手続きなどの課題が解消され、海外の購入者は日本の「メルカリ」と同様、かんたんかつ安心・安全に買物が楽しめる。
これにより、越境取引における購入者・事業者双方の課題を解決し、グローバルでの事業拡大を目指すとしている。「グローバルアプリ」は2025年9月30日より台湾・香港での提供を開始し、今後、展開する国や地域を順次拡大する。
※画像元:越境取引事業の新戦略を発表 世界共通アプリ「メルカリ グローバルアプリ」の提供と、 事業者向け越境EC基盤の強化でグローバル展開を加速(株式会社メルカリ)
事業者の海外展開を支える「グローバルEC基盤」を構築
「グローバルアプリ」では魅力的な商品のラインナップを増やし、プラットフォームの魅力を拡大させるために、国内事業者の出店を促進。日本国内のマーケットプレイス運営で培ったメルカリのノウハウを活かし、越境ECの専門知識や経験がない事業者の海外展開を支える「グローバルEC基盤」を構築する。
メルカリはグローバルEC基盤の特長について、次のように説明する。
◆いつもの「メルカリShops」で、かんたんに越境販売
日本の「メルカリShops」の操作で、海外の購入者へ商品を販売できる。設定・申請などの特別な対応は不要。
◆あんしんの取引体制
多様な海外決済への対応、複雑な国際配送・通関手続き、外国語での顧客対応といった、専門知識を要する煩雑な業務をすべてメルカリが機能でサポート。決済はStripe(※1)、配送は佐川急便など信頼できるパートナーと連携し、安心・安全な体制を整えている。また、2026年上半期からはパートナー連携による「あんしん鑑定」が導入される。
◆成長基盤サポート
ただ出品するだけではなく、より効率的にコンテンツや商品を世界中のファンにリーチできるような基盤を提供する。
今後は事業者向けのテーマページの構築や、公式であることを示す「公式バッジ」などの機能を順次追加し、事業の継続的な成長を支援するとした。
※画像元:越境取引事業の新戦略を発表 世界共通アプリ「メルカリ グローバルアプリ」の提供と、 事業者向け越境EC基盤の強化でグローバル展開を加速(株式会社メルカリ)
越境ECに関する課題を解決
メルカリは、越境EC市場の成長を大きな機会として捉えている一方、日本の優れた商品やカルチャーをより多く世界に届ける上で、海外の購入者と日本国内の出品者・特に事業者がそれぞれ直面する課題があると考えている。
◆海外の購入者が直面する課題
▷言語の壁や複雑な購入プロセスなどの体験面
▷海外のプラットフォームにアクセスする際にサイトの信頼性への不安
◆国内の事業者が直面する課題
▷多くの事業者が海外への販路拡大に関心を持つ一方、「最初の一歩」を踏み出すことが難しい
こうした背景を踏まえ、メルカリは越境取引事業の新たな戦略を策定。その戦略の中核として、「グローバルアプリ」の提供と国内事業者の海外展開を支援する「メルカリ グローバルEC基盤」という2本の柱を両輪として、成長を加速させるとした。
※画像元:越境取引事業の新戦略を発表 世界共通アプリ「メルカリ グローバルアプリ」の提供と、 事業者向け越境EC基盤の強化でグローバル展開を加速(株式会社メルカリ)
日本発No1の越境マーケットプレイスを目指す
越境取引事業の拡大にあたっては、特に世界的に人気の高い日本のエンタメ・ホビー領域に注力する。予約販売やオークション機能など、エンタメ・ホビー領域の取引を促す機能を順次導入し、コンテンツの権利元企業とも連携しながら、購入者・事業者双方にとって魅力的な取引体験を提供するとした。
「グローバルアプリ」は2026年春にはアメリカでの提供開始を予定しており、その後は展開する国や地域を順次拡大。3年以内に50以上、中長期的には100以上の国や地域へ展開する見込み。さらに、UI/UXや機能のアップデートを行い、顧客の体験を向上させる予定だ。
メルカリは「新たな越境取引事業戦略を通じて、『越境するならメルカリ』の体験を深め、今後も日本発No1の越境マーケットプレイスを目指してまいります」とコメントしている。事業者の海外展開を支え、越境ECのさらなる発展につながることが期待される。メルカリの今後の展開に注目したい。
※1:複数通貨、および様々な現地決済手段の提供、24時間365日、通年で99.999%の可用性を維持する安心の稼働率、AIを活用した不正対策ソリューションStripe Radarを活用した安心・安全な決済をなどを提供。