ヤマトグループ、2025年トップトピックスを発表
ヤマトホールディングス株式会社(以下、ヤマトグループ)が、2025年の取り組みをまとめた「トップトピックス」を発表した。本記事ではEC事業者と特に関連が深いと思われる内容をピックアップして紹介する。
外部環境の変化や多様なニーズに対応
基盤領域である「EXP事業関連」においては、以下の3つが取り上げられている。
◆5月21日、「こねこ便420」の全国販売を開始
2024年8月から東京都で販売していた、事前に専用資材を購入するだけで全国一律420円で荷物を送れる「こねこ便420」を全国で販売開始。小さな荷物を手軽に送りたいというニーズに応える。
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◆10月1日、宅急便の届出運賃を改定
宅急便120サイズ~200サイズ、ゴルフ宅急便キャディバッグ規格、スキー宅急便板規格の届出運賃を改定。
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◆11月10日、ネコポスの規格変更、「宅急便当日配送サービス」の提供を開始、「同一都道府県内運賃」を新設
ネコポスの取り扱いサイズを厚さ3cmまで、三辺を60cm以内、長辺を34cm以内に拡大。郵便受けに配送できない場合の受け取り方法として「置き配」の対応も開始。さらに、「当日中に届けたい/受け取りたい」というニーズに対応するため、午前中に営業所に荷物を持ち込むと、最短で当日14:00以降の指定時間帯に届ける「宅急便当日配送サービス」の提供を開始。
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東北最大の統合型ビジネスソリューション拠点を開設
成長領域である「CL事業関連」においては、以下内容が取り上げられた。
◆10月20日、福島県郡山市の物流施設集積パーク「福島郡山LLタウン」に、グループ東北最大の統合型ビジネスソリューション拠点を福島県郡山市に開設
ロジスティクス機能を持つ「郡山ロジセンター」を竣工し、2026年10月には全国のグループの物流拠点への仕分け・輸配送機能とロジスティクス機能が一体となった施設を竣工する予定。全国に張り巡らされた宅急便ネットワーク上にある本拠点を活用し、お客さまのサプライチェーン全体の最適化と事業戦略に貢献することで、法人ビジネスの拡大を目指す。
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また、新規領域「環境・社会課題を解決する新たなビジネスモデルの創出」においては、「2月1日、業界の垣根を越えた物流効率化に向け、共同輸配送のオープンプラットフォームを活用したサービス『SST便』の提供を開始」も取り上げられている。
Sustainable Shared Transport株式会社(以下、SST)と富士通株式会社は、荷主企業・物流事業者向けの共同輸配送システムの稼働を開始。2025年8月7日には、全国各地の物流ネットワークの維持・強化を図るため、日本ローカルネットワークシステム協同組合連合会と「地域物流事業者の連帯(共同輸配送)により、持続可能な物流ネットワークの構築を推進する連携協定」を締結した。
JL連合会の組合員事業者に対し、SSTの共同輸配送ネットワークへの参画と、輸送委託先の一つとして「SST便」の利用を促進する。
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幅広い取り組みを推進
本トピックスでは前述した内容以外に、以下のような内容が取り上げられている。
◆5月15日、訪日観光客向け旅行支援サービス「YAICHI TRAVEL」で、コンビニエンスストアや営業所など全国約4万カ所から香港・英国の自宅に手土産を簡単に発送できるサービスを開始
◆8月22日、大規模マンションでの新たなラストマイルモデルの構築に向け、自動配送ロボットを活用した実証を開始
◆8月29日、北海道奥尻島でセールスドライバーによる客貨混載型の公共ライドシェア「島のりあい」の実証運行を開始
◆11月12日、FPTジャパンと特定技能制度を活用したベトナム人大型トラックドライバーの採用・育成に関する基本合意書を締結
◆11月25日、石川県能登地域の持続可能な物流インフラ拠点の第一弾として、新しい「石川珠洲営業所」で営業を開始
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変化の激しい物流業界において、市場の変化に対応しつつ新たなサービスを提供し続けている。来年以降も同グループの最新情報を引き続き追っていきたい。


