楽天2015年度第1四半期決算発表会
報道関係者向け決算説明
楽天株式会社(以下、楽天)は5月8日に、2015年度第1四半期決算発表会を行った。
会場となった楽天株式会社品川シーサイド楽天タワーの記者会見場では、同社代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏が登壇し、報道関係者向けの決算説明と質疑応答が行われ、副社長執行役員CEOの山田善久氏、財務部財務企画課課長の市川祐子氏が説明補足を行った。
◆2015年度Q1業績ハイライト
•Non-GAPP営業利益:+17.8%(前年度同期比)
•IFRS営業利益:+28.7%(前年度同期比)
•その他インターネットサービスの赤字縮小
•インターネット金融営業利益:+38.8%(前年度同期比)
•海外EC流通総額:+47.8%(前年度同期比)
◆2015年度Q1連結業績サマリー
•売上収益:1,588億円(前年同期:1,383億円)+14.9%
•Non-GAAP営業利益:321億円(前年同期:274億円)+17.3%
•IFRS営業利益:290億円(前年同期:226億円)+28.7%
「第1クオーターは大変好調な結果だったと考えております」
という三木谷氏の言葉で始まった決算説明では、楽天が進める「英語化」についてうまく進捗しているといったことが「グローバル化」という結果に帰着し事業好調の原因の一つであると語られた。楽天市場のモバイル比率が47%を超えたことからモバイルコマースの重要性にも言及し、昨今楽天が力を入れている模倣品への対策については、全世界のブランドと提携し徹底的になくしていきたいと語り、模倣品撲滅への強い意志を感じさせた。
また、先日同社が買収子会社化した米OverDrive社が特化する、電子書籍貸出ビジネスによるシェアリングエコノミー領域の新たな市場創出にも話は及び、最終的にはほぼ全ての図書館でOverDriveプラットフォームが使われようになるのではないかと予測を述べた。
質疑応答
続いて行われた質疑応答では、最近サービス開始したばかりの「はこぽす」や、ビットコインについての意見などを求められた。これに対し三木谷氏、及び山田氏は、
「はこぽすについては4月始めに始まったばかりのサービスのため、まだ実績について意見を述べるには時期尚早かと思います。ですが、大阪で試験運用的に展開していました楽天BOXが想像を遥かに上回る利用であったため、はこぽすも同様なのではと期待しております。また、ビットコインにつきましては米国サイトの方で受付を開始いたしました。金額についてはまだ大きくはありませんが、今後ビットコインのみならず様々な形で電子通貨が一般的になっていくのではと思っています。海外からの購買の際に、ペイパルやアリペイの様に使用されるようになるのではないでしょうか」
と回答した。他にも今後の見通しなどについては、
「GWで若干の売れ行きのへこみはありましたが、それ以外では非常に好調のため、伸びに鈍化しているという印象はありません。新しい取り組みも好調に推移しております。ほぼ全ての伸びがモバイルと新規企画からきている現状、より新しいサービスの開発が重要であると考えています。様々なサービスが考えられるので、今後は海外への視野も徹底的に強化していきます。グローバル展開としては、日本のサービスという強みを出していきたいです」
など、強気と自信を感じられる発言を残し、会見を締めくくった。