楽天、丸紅と電力小売事業で提携!出店店舗に光!

石郷“145”マナブ

楽天経済圏の拡大を意味する、電力小売に関する丸紅との業務提携

 楽天株式会社(以下、楽天)と丸紅株式会社(以下、丸紅)は、先ほど、記者会見を行い、低圧需要家向け電力小売事業における業務提携の契約を締結した、と発表した。

 楽天はもとより、2016年4月の電力小売市場の全面自由化後の低圧需要家向け小売サービスに対する期待の高まりを受け、国内外において、電力トレーディングを含む、多角的な電力事業経営の実績やノウハウを有している事業者を模索していた。楽天にとってはそれが楽天経済圏の拡大につながり、また、地域創生の動きにもプラスになると考えてのことだ。

 この楽天経済圏の拡大について、楽天株式会社 エネルギー事業長 菅原 雄一郎氏は「今回を契機に、まず、楽天では「楽天市場」に出店する店舗に電力を売る。低圧需要家には個人事業主が多いので、楽天出店店舗の事業主に、ご利用いただき、そこで楽天のポイントと絡めて、活用いただくことで、今までよりも多くのポイントを活用でき、メリットがある。」とした。要は、ここに楽天経済圏の拡大を見たわけだ。また、加えて、楽天にはすでに、楽天トラベルなどで宿泊施設などとのネットワークもあり、そういった企業に関しても提供できることで、全国各地の宿泊施設などがこうしたメリットを得て、事業に勢いをつけることとなり、地域創生につながると考えたわけだ。

丸紅にとっても、小売事業の拡大に、楽天経済圏の活用は利点あり!

 ちなみに、丸紅は全世界23カ国で安定的な電力事業を運営しており、総計10 GW超の持分発電容量を保有している。国内においては新電力会社として再生可能エネルギー電源の開発推進に加え、火力発電所の保有、新規開発も進めるなど、積極的に自社電源の確保ならびに電力小売事業の拡大に注力しており、楽天との業務提携により、自らの強みを生かせるチャンスと考えたわけだ。

 丸紅 国内電力プロジェクト部長 福田 知史氏は「役割分担としては、楽天が顧客の対応、丸紅が電源の調達。2020年を目標に業界の5%程度をめどに占めたい」と、両社が目指す目標に関しても、言及した。

 インターネット通販の大手の楽天と総合商社で日本最大の発電事業者でもある丸紅との異業種企業間の組み合わせは、寡占化された電力市場の中で、自由競争を促進する原動力になる。需要家に新たな選択肢を提供することが、今後、あらゆる層に電力に新しい風穴を空けるだけでなく、それにより関わる事業が発展していくきっかけとなる。電力小売事業が、楽天がその経済圏の拡大だけでなく、地域創生をも巻き込んだ大きなうねりを起こしていくことになるだろう。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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