DeNA、キュレーションに本腰!ECに与える衝撃は
キュレーションメディアは進化していく
株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)は記者会見を実施し、キュレーションメディアに関しての説明を行った。これまでも関連会社に「MERY」(http://mery.jp/)、「iemo」(http://iemo.jp/)、「CAFY」(https://cafy.jp/)などの人気キュレーションメディアを持っている。記者会見の内容によれば、それらの収益の柱は広告であり、いずれも好評である。
「MERY」に関して言えば、最近、滞在時間も増えているようで、それだけメディアとして、多くの人に受け入れられていることの証だろう。また、気になる記事に関しては「ラブボタン」が押せるようになっており、すでに1000万回のアクションがあるという。同社によれば、このような情報を蓄積されることで、トレンドの兆しを掴む等の用途も考えられるとしている。
自らと近い立場で語られる、このメディアだからこそ、それらのデータの信憑性もきっと高いことだろう。また、収益源としての広告も好調で、継続出稿も多いようだ。Instagramを絡めて、三越伊勢丹とのコラボ企画もやる他、編集チームも用意して、記事のクオリティアップにもつとめるという。
また、新たに4つのキュレーションメディアの提供を開始することも発表した。これにより、DeNAグループが運営するキュレーションメディアは10媒体となる。今回新たに始まるキュレーションメディアは、心と体の悩みをスッキリ解消できるヘルスケア情報の「welq(ウェルク)(https://welq.jp/ )」自動車ドライブ旅行などカースタイル全般に関する「GOIN(ゴーイン)(https://goin.jp/)」暮らしに役立つ節約のコツや、投資や保険の賢い選び方を扱う「Upin(アップイン)(https://upin.jp/)」、漫画、映画、アニメ、本、音楽などのエンターテイメント作品の魅力を紹介する「PUUL(プウル)(https://puul.jp/ )」の4媒体だ。
今後、DeNAが力を入れるのは動画コンテンツ!
記者会見で今後、力を入れていきたいこととして、動画関連メニューを挙げた。オリジナルの動画コンテンツや動画広告、また、動画のアドネットワークの提供も開始するという。新たに提供開始する動画メニューは、各メディアが特化するジャンルごとに、生活に役立つ情報を短時間で効果的に伝えるオリジナル動画コンテンツと、広告主のサービスや商品のブランドを維持しながら、各キュレーションメディアのテイストにあわせて制作する動画広告、そして、動画広告を複数のキュレーションメディアに配信できる動画アドネットワーク「DeNA Palette Video」の3種となる。これらの動画メニューは2016年の本格提供開始に向けて、開発をすすめていく予定だという。
DeNAはモバイル端末向けのゲームやエンターテインメントなどのイメージが強い同社ではあるが、今後は、キュレーションメディアも強化することで、いままでとは違った切り口で、生活者の隙間時間をより楽しくしていく。メディアとして強化されれば、今後、それを取り巻く環境は変化していくこととなる。僕が思うに、これからECは、検索だけで待っている時代ではないように思う。だからこそ、きちんと商品にまつわる世界観を創造し、提案していくことが大事になってくるはずだ。その中で、キュレーションメディアが果たす役割はきっと大きいように思うのだ。ECにとって、この動きは無視できない大事なものなのである。