独占!躍進の秘訣は戦う甲子園?楽天河野執行役員語る

石郷“145”マナブ

左が大林さん、右が河野さん

楽天市場甲子園でホンキの対抗戦!勝負で飛び出す人気商品

「お話ししたいことがあるんですよね」
そう言って、楽天株式会社(以下、楽天)の執行役員河野奈保さんは、とある企画への想いを語りはじめた。

 その内容というのは、楽天は「楽天市場甲子園」という企画をスタートさせる、というものだった。「楽天市場」に出店する店舗がガチンコで、自らの商品でバトルをする、というものだそうだ。すごくシンプルな内容だけに、最初、それを、なぜわざわざ直接話したいと思うほどに、肝いりの企画であり、この企画にかけている思いが並ではないのか、ちょっと気になった。

 河野さんはこう話す。「今まで、楽天スーパーSALEやお買いものマラソンは、この楽天市場という場所自体を盛り上げることで、お客様を惹きつけた。今度は視点を変え、ジャンルに焦点を当てて、そこを切り口に、お店の個性を引き立たせることはできないかと考えたんです。それが、店対抗の甲子園って発想なんです」と。

 それを聞いて、もはや楽天市場はショッピングモールでありつつも、店をブランディングするメディアのような特性を持ち始めているな、というのが僕の印象だ。

ジャンルごとにバトルすれば、店の違いが見えやすい

ジャンルごとにバトルすれば、店の違いが見えやすい

 甲子園とはどういう事か。楽天市場の中には、いろんなジャンルがある。勿論、楽天市場のトップ画面を見れば、ジャンルで項目分けされているけど、これじゃ足らないよねという訳だ。そのジャンル内において、同じジャンルゆえに共通で比較できる部分があり、そこで店は店ごとに全く異なる個性をはなっている。でも、それも、楽天市場の中にある一定の同じテンプレートの中では、さすがにそこまで表現しきれないこともある。だから、ジャンルごとに切り分けて、あの手この手で商品という武器で、仕掛けられる、店対抗のガチンコバトルをやろうという。

 「店」対「店」を演出することで、今までのように、SALEやポイントという切り口ではなく、店を吟味して、お客様は判定し、その過程で、商品を購入する。当然、そこでは参加したお客様にはクーポンを発行し、“観客”として参加すること自体も楽しめるようにしていく。そのバトルは、ジャンルという切り分けがあるので、おなじ「店」対「店」であっても、表現される内容は、ジャンルごと大きく異なることになる。このことこそ、今まで楽天市場では表現しきれなかった、お店の個性が表現できる契機となり、ひいてはお店のブランディングになる、と考えているわけだ。そこには予選があり、そこで勝ち抜けば決勝があり、勝てば優勝である。だから、それを「甲子園」という言葉で表現したのだ。

まずは、グルメやファッションで開始!お客様参加型!

 そこに同席した、フード事業部 ジャンル戦略グループ サブマネージャー 大林氏によれば『まずは、グルメジャンルで「肉」を、ファッションジャンルで「メンズアウター」「レディースアウター」をピックアップし、そこから「楽天市場甲子園」を展開し始めます。それらのジャンルの出場店舗の予選ステージは11月20日9:59までとなっています。そこで、勝ち上がった店舗による決勝ステージは11月27日10:00~12月4日 9:59。そして、栄えある優勝店舗の発表は12月7日になります」とのことだ。

 甲子園のようにして、予選は何個かのエリアでわけて争うそうで『グルメジャンル「肉」部門については全国6エリア「北海道・東北」「関東」「東海・北陸」「関西」「中国・四国」「九州・沖縄」で開催します。ファッションジャンルについては、エリアではなく「機能性」「定番」「トレンド」の3項目で予選会を開催します』とのことだった。

 僕個人の話で恐縮だが、一部始終を聞いていて、ドラゴンボールの「天下一武道会」を思い浮かべた。武舞台では真剣勝負をし、観客は時に歓声を送り、時に、そのバトルを固唾をのんで見守り楽しむ。そんな雰囲気が、それが楽天市場で広がっているように思い浮かべられたら、なんだかワクワクしてこないだろうか。

お客様を巻き込み、楽天市場はお店の切磋琢磨をリアルに実感

 最高の品を持ち出し、対戦相手である別の店舗に勝負を挑む。楽天市場の店の持つポテンシャルは言うまでもなく高いので、それだけ緊迫した戦いになるだろうし、興味がそそられる。そして、不思議な話であるが、観客=お客様は、その勝者も敗者も強く印象が残るので、どちらにとっても、決着はつくけど、結果的には、ブランディングできるという点で、両方、勝者であるように、僕は思う。

 「楽天市場甲子園」は、高校球児さながらに、勝ち負けを越えて、その真剣勝負が、見るものになんらかの価値を与えると思う。甲子園もそうだが、高校球児たちだけではない。その周りの人たち全てが主役だ。その店とその店を取り巻くファンたち、関係者たちを巻き込んで、今までになかった形で、この企画は、店が一層輝くキッカケを提供してくれるような気がする。よっしゃ!ファイト!!


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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