中国でのテストマーケにサンプル百貨店

株式会社オールアバウトの子会社であり、日本最大級のサンプリングサイト「サンプル百貨店」を運営する株式会社オールアバウトライフマーケティング（以下、オールアバウトライフマーケティング）は､アリババグループ(阿里巴巴集団)が運営する中国の消費者向けショッピングモール「Tmall Global(天猫国際)」に出品代行を行う越境ECサポート事業を開始したと発表した。「サンプル百貨店」 は主に30～40代の、購買意欲が高く、商品の動向に敏感な主婦・OLを中心とした日本最大級のサンプリングサイトで、その会員数は約100万人に上る。

「サンプル百貨店」が「Tmall Global」に出店した背景には、日本国内における中国人観光客の「爆買い」に注目が集まっており、現地のECを活用したマーケティングニーズが高まっていることにある。「Tmall Global」は、中国最大級の総合オンラインショッピングモール「Tmall」の越境型ECとして、2013年9月にスタートしたもので、その最大の特徴は、日本からの直送モデルにより、これまで中国国内で販売が難しかった商品が出品が可能になったという点だ。しかし、現状では出店に関わる複雑な手続きや運営面での難易度が高いことから、現在日本の出店企業は一部の大手ドラッグストアや大手EC事業者に留まっている。

今回、「サンプル百貨店」を「Tmall Global」へ出店し、越境ECサポート事業を開始したことで、「Tmall Global」での販売を希望する企業は初期費用や月額費用を負担することなく、「Tmall Global」への出品できるようになった。翻訳、決済、発送などの業務もオールアバウトライフマーケティングがワンストップで担う。これにより、出店企業は現地法人を設立せずとも、中国での売上拡大や認知向上を図ることができるようになった。また、訪日中国人向けの商品をテストマーケティングする場としても活用することが可能だ。
今後、オールアバウトライフマーケティングは、大手メーカーのみならず中小企業や地方自治体の出店も広く受け入れることで、取扱商品のバリエーションを増やし、中国の生活者と多くの接点を持ったECプラットフォームの構築を目指すとしている。

Tmall Globalにサンプル百貨店を通じて出店することで、中小企業でもTmall Globalに出品しやすくなった。Tmall Globalは多くの日本企業が注目を寄せる中国最大のモールでありながら、出店している日本企業はわずかだ。中国で販売する商品や、日本国内で訪日中国人向けに商品を販売する商品のテストマーケティングなどを現地で行うことができれば、商習慣や文化の違いを踏まえた事業展開ができ、より中国への越境ECを進めやすくなるだろう。