スマホで近くのドライバーが集荷し“ハコベル”

石郷“145”マナブ

近くを走るドライバーが荷物を受取ったまま、指定の場所へ届ける!早い、安い!

 ラクスル株式会社(以下、ラクスル)は、先ほど、シェアリングエコノミー新規事業の記者発表会を開催した。同社がこの記者会見で発表したのが、「ハコベル」というものになる。「ハコベル」とはトラックを使った、画期的な新しいシェアリングエコノミーだ。荷物を急ぎで届けたいというときに、ネットで簡単にどこにでも呼べて、どんな量でも配達できて、どこにも届けるというサービスだ。

 例えば、空港まで来て「パスポート忘れました!」と言ったとする。自宅の住所のエリアにいるトラックドライバーに情報を共有し、自宅にいる家族からそのドライバーが受け取って、羽田空港まで来てくれる。時間の指定もできるので、例えば「今日の17時まで持ってきてほしい!」というような要望にも答えることができるのだ。発注する側もこれらをスマホ上ですることができるので、出荷場所と受け取り場所における、料金がすぐに計算され、表示されるようになっており、また、そこで、高速道路を使ってほしいなどの選択肢を選んで、最終決定となる。料金の請求についても、その際に、「出荷側にお願いしたい」など情報が、近くを走るドライバーのスマホに流れることで、それらの条件に答えられるドライバーがその発注者の声のもとに、動くというわけだ。

全国のドライバーの隙間時間を効果的に、配送に生かす!スマホが実現させた物流革命

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 通常の運送会社でいえば、集配所に取りに来て、集配所に持っていく。ハブアンドスコープだったわけだが、これはある意味、受け取ったまま、届けるので、ポイントからポイントへ、というその発想が、今までの物流にはない衝撃を持っているように思う。

 なぜ、ラクスルが、このようなサービスを発想したかというと、実はトラック市場の状況を考えてのことだ。トラック市場は14兆円の市場であり、だいたいが日本通運、ヤマトなどの大手で7兆円となっているが、それ以外にも約6万社ものトラック会社が存在しているということなのだ。つまりそれだけのドライバーが存在しているということであり、それらのドライバーは、日頃お客様を抱える企業であっても、その隙間時間が生まれる。そのドライバーの隙間時間を有効活用し、その隙間時間で上記のようなサービスを提供する、というものなのだ。トラック会社にとっても、お客様にとっても、メリットがあるということだ。

 今までの物流の概念を変えてくれそうな「ハコベル」のサービスは主に、中小企業を対象にしていきたいとしている。EC業界においても、お客様とのやり取りの中で、より迅速できめ細やかなサービスが求められる昨今、ラクスルのような、きてほしいところにすぐきて、送りたい先にすぐ届けてくれるこのサービスは、歓迎されるに違いないし、拍手を送りたい。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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