本日今配信!ヤフー、らくらく通販で新規顧客獲得へ

石郷“145”マナブ

初心者でもらくらく買える、ヤフーなりのおもてなし

 ショッピングモールの想いはどこにあるのだろうか?大手モールが各社一斉にセールで賑わう中、僕は六本木にあるヤフー株式会社(以下、ヤフー)の本社に来て、まだ他では明かされていないサービスに関して、教えていただいた。それは初心者向け特化型アプリ「らくらく通販」である。たった今配信された。(http://goo.gl/S27F61 )

 同社がショッピングモールに関連して、新たなサービスを出すのは、実に久しぶりのことであり、それだけ、同社が想いをこめているのがわかる。どんなサービスなのかといえば、スマホ上で、たとえECをやっていなかった人でも簡単に手軽に取り組めるようにした、業界では初の初心者特化型の通販アプリである。

「そのきっかけをくれたのは、いわゆるシニアの層なんです」と話すのは「らくらく通販アプリ」プロジェクトマネージャー 久冨伸彦氏。今から一年ほど前、ヤフーは、シニアでのECの利用率が上がっていることに着目。それも、「シニア世代については、彼らがECというものを身近なものとして受け入れていないだけで、実は、そこにしっかり向き合うだけで、更に、伸びる気配を弊社としては感じていたのです」と続けた。

 では、彼らはどんなデバイスでなら買えるのだろう?シニアのインタビューを試み、たどり着いたのが、先ずはタブレットだった。彼らは、タブレットに関しては、直感型で、パソコンより使い易いことを実感していたのだ。シニアがタブレットで買うことをベースに進められ、タブレットのECアプリという発想へと繋がる。そのモックを作って、シニアへと絵コンテで見せていく。そうやって一つ一つ段階を追って、サービスを作り上げていった。そう割り切って、思い切ってできたのが、徹底した初心者目線のこのらくらく通販なのだ。

 らくらく通販では、検索をしなくても済むように作られており、カテゴリーという言葉もなく、それに相当する言葉として、売り場と表記されている文字を大きくし、見やすくしているのは、言うまでもない。

一枚一枚丁寧に見せる通販

一枚一枚丁寧に見せる通販

 また、階層という概念がないので、紙芝居のようにして一枚一枚ページを送るように遷移させるようにし、カートに入れると言う言葉すらも「この商品を買う」と言う言葉に置き換えられている。更に、まだ会員登録をしていないというユーザーへの配慮も忘れない。実は、10月にソフトバンクから発表された「スマートログイン」というサービスも、このらくらく通販のユーザーを織り込み済みのものだったのだ。スマートログインは、ソフトバンク携帯であれば、Yahoo! JAPAN IDを作る際、自動的に、かんたんに住所などの情報が入力されるため、その取得が簡単になるというものだ。Yahoo! JAPAN IDの登録から始まり、らくらく通販を使って、ストレスなく購入へと導ける、というわけだ。

 思うに、常識は、その世代ごとに違うことを思い知った。我々にとっての常識は、違う世代にとっては非常識なのである。そこで、ECに対して非常識だと感じた人たちは自ずとECを敬遠すれば、そこの層をまるまるとりこぼすことになる。ヤフーは敢えてそこの層を大事にしようとした。

 若者たちは、必ずしも商品を買うわけではなく、時にフリマすることすらあるくらい、ネットを活用している反面、シニアでは皆無なのは、勿体無い。これらの層がその抵抗感をすこしでもなくしていけば、まるでオセロのように、いままで動かなかったところも一斉にひっくり返ってくるように思う。

 普段ECを買っていなかったネット初心者やシニアだって、生活者であることには、変わりない。必需品を買えるように手ほどきすれば、それを定期購入へと導けて、彼らは、実は、救われるかもしれない。ヤフーはまた、そんな使命感を持って、このアプリを今この瞬間送り出した。まさに、ある一定の世代の常識がスタンダードとされていたECに、別のスタンダードを用意して、新たな顧客満足に向けて、ユーザーを掘り起こす、ヤフーの意気込みに拍手を送りたい。

構成:石郷“145” マナブ


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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