ギフト・ショーで見つけた!伝統技術を引き継ぐ品

福島 れい

「Wachic」夜のイメージ。
内蔵されたLED照明が輝き、写真の魅力を引き立てる。

昨日は2月3日〜5日に行われた第81回東京インターナショナル・ギフト・ショーのコンテスト受賞作(http://goo.gl/yG3D2E)をご紹介した。今回は、記者がギフト・ショーで見つけた素敵な商品をご紹介したいと思う。

ご紹介するのは、「伝統とModernの日本ブランド~ジャパニーズスタイルフェア~」ブースで見つけた福井県にゆかりのある品々。なぜ福井県かと言えば、非常に魅力のある商品に出会えたから、なのだが、記者は福井県出身。地元の伝統工芸品が、アレンジされ素敵な商品になっていることに感動してしまったというのも一因になっている。

越前和紙が輝る幻想的なフォトフレーム「Wachic」

越前和紙が輝る幻想的なフォトフレーム「Wachic」「Wachic」昼のイメージ。
手漉き和紙の優しい素材感が感じられる。

まず、上記の写真、有限会社ハートブレーンが販売する「Wachic」という商品から。こちらは”越前和紙”という手すき和紙の素材をそのまま活かし、シンプルに仕上げた「手漉き和紙アート照明フレーム」だ。越前和紙の質感がそのまま表現され、昼には手漉き和紙の優しい素材感、夜には内蔵されたLED照明が幻想的に輝く作品になっている。

お話を伺って驚いたのは、越前和紙が利用されているのはフレームだけではなく、写真そのものも専用の和紙に印刷されているということだ。写真ではわかりづらいかもしれないが、通常の写真とは一味違う印象を楽しむことができる。

ちなみに越前和紙というのは、26代継体天皇がまだ男大迹皇子と言われていた約1500年前から続く伝統の手すき和紙で、岡太川の上流に美しい女神が現れ、村人たちに紙の漉き方を伝授したという幻想的なエピソードを持つ伝統工芸品。

「Wachic」の利用シーンとしては、店舗用・住宅用インテリアフォト、店舗用サインフレーム、、ウェルカムボード、ノベルティー商品などを想定しているといい、お気に入りの写真や、記念日にオリジナル商品としても活用できる高級感のある商品だ。

6っ切りフレームサイズで、W 約395×H 約326×D 19ミリ、照明なしのフレーム価格は16,900円(税抜)。

困難と言われた薄さ・軽さ「越前うすくち盃 ひらら」

困難と言われた薄さ・軽さ「越前うすくち盃 ひらら」

上記の写真は越前焼工業協同組合 越前焼の館が販売する「越前うすくち盃 ひらら」という商品。この飲み口の薄さ、感じていただけるだろうか?なんと飲み口の厚さは1mm以下、重さも25gしかないのだ。

「触ってごらん」と言われ、手に取った際にはあまりの軽さに「え??」と声をあげてしまった。

この1mm以下という厚さ、”薄づくり”と呼ばれているのだが、土を高温(約1240℃)で焼き上げる陶器では、土が高温で溶けてしまうため困難とされていたのだそう。

極薄の飲み口ならではの口あたりと平盃の形状がふくよかな香りを倍増させる、お酒好きにはぴったりの逸品だ。

平盃の形状は、文明が発達する前、貝殻で水分をすくって飲んでいた頃の習慣が起源になっているのだとか。大陸の国々では貝殻ではなく、動物の牙を使っていたことがコップの起源になっているそうで、普段はなかなか気づかない、数千年前から引き継ぐ風習を感じるきっかけとなる品だった。

サイズは、径9cm×高さ2.5cmで木箱入り、価格は3,240円(税込)。

地元に古くから続く技術を現代風に応用し、魅力的な商品に仕上げる。これはある意味、真っ新な状態から商品を生み出すよりも難しいことだと思う。今と昔、伝統技術と流行り、どちらもバランスよく取り入れた商品だからこそ、人の心を惹きつける、そんな商品に仕上がるのではないだろうか。


記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

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