楽天、新たな海外展開へ「ラクマ」台湾上陸

ECのミカタ編集部

楽天会員に魅力的なフリマアプリ

 ラクマは楽天が提供する、2014年11年に日本で開始した個人間取引(C2C)型フリマアプリだ。スマホの普及に伴い、この2〜3年、さまざまなフリマアプリが登場している。その中でもラクマの特徴は、出品・販売・決済の手数料が全て無料であること、また楽天IDで簡単に登録できることや楽天スーパーポイントで支払いが可能なことなどは、楽天ならではの特徴と言えるだろう。

 そんなラクマの、初の海外展開が行われることが、3月1日に発表された。最初の展開先となるのが、台湾だ。その背景として楽天が今、台湾のEC市場を非常に重要視していることがあげられるだろう。台湾でのEC店舗運営は、いわゆるモールと呼ばれるB2CのECプラットフォームが主流で、その中でも台湾楽天市場は上位に位置しており、楽天の海外展開の中でも成功事例と言える。また、楽天カードや楽天トラベルも、台湾において急成長を遂げており、その流れの中に、今回のラクマの台湾進出もある。既に形成されている楽天経済圏の中で、台湾の楽天会員に、他のフリマアプリに比べてより有益に利用できるということで、ラクマを選択してもらうことが狙いだ。

楽天の海外展開が変わる可能性も

 さらに、マーケットプレイスの撤退が発表された、インドネシア、シンガポール、マレーシアなどにもラクマの展開が考えられているようだ。これら東南アジア各国では、EC市場はC2Cが主流で、既存の楽天市場の形は馴染みにくいという問題があったのだが、ラクマはその問題を解決するかもしれない存在であり、今後の楽天の海外展開にも大きく影響する可能性がある。

 また、日本に比べまだそこまでフリマアプリが浸透していない台湾において、日本では先行するアプリの中で競争を強いられているラクマが、どこまで利用者数を伸ばすかも目が離せない。台湾においてラクマが成功することは、B2C主流の台湾のEC市場において、新たなアプローチ法を切り開くことにもなるだろう。


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