1000回目「Yahoo!出店セミナー」に参加してみた

Yahoo!ショッピングでは、スタートアップの出店者やこれから出店を考えている人向けのセミナーを開催している。それは2013年、ヤフーが「eコマース革命」を宣言した年から始まり、北は稚内から南は石垣島まで、全国津々浦々で開催され、何と1000回目を迎えるという。その1000回目となる東京のセミナーを取材してきた。講師は、ヤフー株式会社　ショッピングカンパニー 営業本部　セールスプロモーション部 リーダー（eコマース革命　エバンジェリスト）の白山達也さん。

リスクゼロ！まずは始めよう

　Yahoo!ショッピングでは、2013年10月から「eコマース革命」として、無料での出店が可能になった。費用面でのリスクはゼロで、売れた分だけ利益になる。季節商材であれば、売れる時期にだけ売ることもできる。だから今、始めてほしい、他モールでも良いからチャレンジしてほしい、チャレンジしないと結果は返ってこないと、白山さんは強く勧めた。

　もちろん、出店はスタートでしかなく、目的は売上を上げ、利益を作り、事業を継続していくことだ。売上は「訪問者数×購買率×客単価」から成る。この各指標を、ちょっとずつ上げていく地道な作業が必要だと、白山さんは言う。ヤフーは「売れる場」だ。eコマース革命以降、店舗数は約38万店舗に、商品点数は約1億8000万にまで成長を遂げた。魅力的な商品が、魅力的な価格で並んでいる。だから、お客さんが集まる。そこに出店することは、大きなメリットになるだろう。

　また、店舗として大切なのは商品の価値、「買う価値」を作ること。そのための具体的な方法や事例も、セミナーの中で紹介された。EC店舗は、全国、全世界に販路が開かれている。可能性も大きいが、ライバルも多い。店舗の成長に合わせて、分からないことも出てくる。そういった場合は、ヤフーでは、セミナー以外にも無料のサポートがあり、電話やメールで都度相談することもできる。

参加者の声から分かること

　今回のセミナーは、他のモールですでにEC店舗を持っている人と、これから始める予定の人とが、半々ぐらいの参加率だった。その中で、来月の開店を予定しているという方に、お話を伺うことができた。セミナーへの参加は、出店のための資料を取り寄せた際に、案内が来たことがきっかけだそうだ。EC店舗を選んだのは、実店舗に比べてリスクが低いから。ヤフーの「無料」はやはり魅力的だそうだ。ただ、商材のコンセプトは明確になっていても、その先、まずどうすれば良いか分からない。セミナーに参加してみて、その「どうすれば良いか」の参考になったし、不明確だったことがはっきりしたとそうだ。もちろんまだ分からないことはあるが、セミナー中に言われていたように、まずは始めてみようと思っているとのこと。

　EC店舗は簡単に始められる。それは事実だが、いざ始めようとして、ではまず何をすれば良いのか、普通、分からないことだらけだだろう。実店舗に比べてリスクは低いとは言え、不安はある。そんなとき、ヤフーの出店料無料、今回のセミナーのようなサポートは、背中を押してくれるはずだ。万が一上手くいかなくても、戻ることも可能なのだ。だから、「始める理由」はすでに十分に揃っている。あとは「始めない理由」を探すことなく、一歩を踏み出すだけ。そんな気持ちになる。今回のセミナーを取材して、EC店舗を持ちたいと考えている人には、最終的にヤフーに出す出さないに関わらず、ぜひ一度こういったセミナーに参加してみてほしいと思った。

執行役員　小澤隆生氏、登場！

eコマース革命の立役者、小澤隆生氏が参加者へエールを送る

　セミナーの後半では、執行役員の小澤隆生氏が登場し、スタートアップの店舗さん、未来の店舗さんに向けてエールを送った。また、セミナー後には独占で直接お話を伺う機会も得た。

　小澤氏がまず強調したのが、Yahoo!ショッピングは、日本で一番成長している、一番新しいお客さんが来るモールであるということ。せっかくEC店舗を始めるなら、売れるところに出店しないと意味がない。実店舗でいうなら、銀座の一等地に出すか、寂れた裏路地に出すかの違いだ。そのために、Yahoo!ショッピングはとても良い場所だ。

　その上で、「バッターボックスに立たなければヒットは打てない」と、やはり、まず始めることを強調した。ただ、良い場所に出したからといって、それだけで売れるわけではない。売上の伸びる店舗さんというのは、お客さんが買う価値があると思える商品を、きちんと露出して、適正な価格で売り、配送やカスタマーサービスもしっかりしていて、良い商売、丁寧な商売をしているという。とはいえ、それをすぐに完璧にやるのは難しい。そのために、サポートがある。

　Yahoo!ショッピングは、まだまだ成長するという。そして、4つのポイントが挙げられた。1つ目は、ヤフープレミアム会員。ヤフープレミアム会員が買い物をすると、ポイントという形で5%が還元される。必然的に、Yahoo!ショッピングを利用する可能性が高くなる。2つ目は、セールの活性化。5のつく日、いい買い物の日、年末セールなど、2015年、ヤフーは大型セールで次々と成功を収めた。これを2016年も続けていく予定だ。3つ目は、ヤフーが検索エンジンやメディアを持っていること。これにより、Yahoo!ショッピングにお客さんを誘導することができる。そして4つ目は、安心安全を守ること。質の悪いサービスや店舗をなくす取り組みをしていくという。

　過日取材をした「Yahoo!ショッピング Best Store Award 2015」（http://bit.ly/1Qut3qx）でも感じたことだが、ヤフーは今、とにかく勢いがある。そして、スタートアップの店舗さんを全力で応援している。ECモールというのは、仕組みは似ているようでいて、実は各モールごとに全く色が違うものなのだ。セミナー中も言われたように、商品を売る場というのはとても重要だ。だから、EC店舗を出したいという人は、モールの色の違いを理解した上で、自分の商品や売りたいお客さんに合致したところを選ぶべきだろう。そのためにも、今回のセミナーのような機会は有効だ。