2015年度コレが売れた、ショップチャンネルに学ぶ販売力

ECのミカタ編集部

24時間365日生放送のショッピング専門チャンネル「ショップチャンネル」は、昨日4月26日(火)、2015年度(2015年4月~2016年3月)の販売実績から、販売個数、売上金額のそれぞれで、最も「売れた商品」トップ3を発表した。その結果から、通販、その中でもEC通販において「売れる商品」に必要な要素を考えてみた。

ショップチャンネルとEC通販への影響

 ショップチャンネルでの買い物は、24時間365日生放送のTV放送を見て電話で注文をする場合と、ショップチャンネルのウェブサイトを経由しての場合がある。ショップチャンネルはもともとTV通販が主であったため、今もTV放送の方が影響力は大きいそうだ。

 だが、買いたくなる商品というのは、TVでもネットでも共通するところがあるだろう。また、ショップチャンネルのウェブサイトでは、LIVE放送や、放送直後、過去に放送した商品の紹介などを行っており、TV放送を何らかの形でサポートしていると考えられる。このあたりも加味して、ショップチャンネルの売れ筋商品から、EC通販にも役立つ商品開発について考えてみる。

ショップチャンネル、2015年度に最も売れた商品は?

 まず、ショップチャンネルで2015年度に販売個数が多かった商品は、「国産小麦使用 簡単本場さぬき鍋焼きうどん」だ。1年間で10万5000セットを売り上げ、2014年度から2年連続で販売個数第1位となった。味わい、具材の豊富さ、そして鍋一つで数分で調理できる手軽さで、支持されているようだ。続く第2位は「アートネイチャー 瞬間増毛&白髪隠し アートミクロンプラビ 特別セット」、第3位は「まるごと数の子 黄金松前漬」となっている。

 2015年度に売上金額が最も多かった商品は、「2016年 選りすぐりのおせち”萬福”24点セット」だ。定番食材に加え、豪華食材も入った計24点のショップチャンネルオリジナルの内容だ。続く第2位は「海洋性たんぱく質含有  美容食品“イミディーン・タイムパーフェクション”2箱セット」、第3位は「アートネイチャー 瞬間増毛&白髪隠し アートミクロンプラビ 特別セット」となっている。

売れる時間帯に効果的なアプローチを

 ショップチャンネルでは、深夜0時からがゴールデンタイムであり、その日一番のお買い得商品「ショップ・スター・バリュー」として紹介される。ここで紹介される商品は、やはり他の商品に比べて売れ行きが良いそうだ。ショップチャンネルのウェブサイトでは、ネット限定で一足先に「ショップ・スター・バリュー」の紹介もしている。
 
 EC通販においても、商材や顧客層によっても違いはあるが、夜遅い時間帯の反応は比較的良いと言われる。これは、最近日中は仕事などで不在の家が多いため、特にPCを使って買い物をするような場合は、帰宅してからゆっくりとという流れがあるものと思われる。一方で、スマホを使って簡単に買い物をできるようなものは、通勤中や昼休みなどにアクセスが高まる傾向もある。

 こういった傾向に合わせて、ショップチャンネルのようにウェブサイトに推し商品を掲載することは、確かに効果が高いと考えられる。またメルマガなどは、意外と朝の反応が良いということもあるようで、これは、通勤中などにチェックしておいて、後でゆっくりサイトを見るといった流れが考えられる。

売れ筋商品に共通すること

 ショップチャンネルにおける売れ筋商品は、販売個数の点で言うと、比較的気軽に試せるという特徴があるようだ。食品では、日常食品というより、ちょっと変わった特徴のあるものが受けるようだ。売上金額の点で言うと、やはり単価の高い商品が有利だろう。第1位はおせちセットだが、おせちの通販というと、数年前にEC通販におけるおせちの偽装が問題になった。その影響もあり一時期は通販におけるおせちへの全体的な信頼が低下していたが、逆に確かな信頼のあるところには注文が集まり、定着するという流れもあったようだ。

 また何と言っても、おせちのような季節商材は強いので、扱える商材であれば、取り入れない手はないだろう。その強さを活かすためにも、TV通販にしろEC通販にしろ、運営元への信頼は絶対に保たなければならない。信頼は、やはり日頃の商品の質、接客、サービスの質の積み重ねなので、当たり前のことではあるが、疎かになっていないか常に気を使って使いすぎるということはないように思う。

 TV通販とEC通販とで違いはあるといはいえ、ショップチャンネルでは両者が独立しているわけではなく、TV通販が主でありながら、両者が補い合っている部分がある。複数のメディアを運営する上での参考にもなるだろう。他業界の手法が意外なアイデアをくれるということもよくある。今回発表された売れ筋商品は、ただ売れているというだけでなく、受け取り方によって、さまざまな見方ができるのだ。


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