楽天ID決済も拡大の流れ、Amazonログインとどう違う?

ECのミカタ編集部

2008年にスタートした、楽天IDで楽天以外のECサイトでも決済を行える楽天ID決済。導入企業、サイト増やし、最近では2015年末、新たにレンタルショッピンカートASP4社への導入が発表された。楽天IDと比較されることが多いのが、同じく活発な動きを見せているAmazonログイン&ペイメント(http://bit.ly/1rYTb4o)。両者はどう違うのだろうか?また、外部ID決済は今後さらに拡大していくのか?これまでと現状から、今後の動きを考えてみる。

楽天ID決済の動きと特徴

 楽天ID決済は、楽天株式会社が提供する、楽天以外のECサイトでも、楽天IDで決済ができるサービスだ。楽天スーパーポイントを利用することもできる。楽天ID決済の説明によると、楽天ID決済の利用ユーザーは、優良顧客である率が高いという。さらに、楽天ID決済を導入したECサイト上で、楽天スーパーポイントの保有残高をサイト上に表示したり、ポイントと連携したキャンペーン、クーポン、メルマガ発行などの施策も行える。

 楽天ID決済の開始は2008年から。そこから導入企業、サイトを増やしてきたが、最近では2015年末に、レンタルショッピングカートASPを提供する4社(GMOペパボ株式会社、GMOメイクショップ株式会社、テモナ株式会社、株式会社フューチャーショップ)が新たに楽天ID決済を導入することを発表し、大きな注目を集めた。これにより、楽天IDを導入するレンタルショッピングカートASPサービスは計9社となった。この9社のサービスを利用するECサイトは10万以上。そのすべてのサイトが、楽天決済を新たな決済オプションとして追加できることになった。

 楽天ID決済を利用するメリットは、何より楽天スーパーポイントを利用できることではないだろうか。外部ID決済というと、新規顧客の獲得や、離脱率の低下がメリットとしてあげられることが多いが、楽天会員にとっては、やはりポイントの存在は大きい。それが楽天以外のECサイトでも使えるとなれば、購入を迷っていても最後の一押しになったり、ポイント分多く買い物をしたりすることが考えられる。ECサイトにとっては、楽天ID決済を導入することにより、決済画面での離脱率の低下、そして客単価が増えるということが考えられる。

Amazonログイン&ペイメントとの違い

 一方、楽天ID決済と共に並んで語られることが多いのが、Amazonログイン&ペイメントだ。だが、両者には大きな違いがある。それが、楽天ID決済は、ECサイトへのログイン自体はそのサイトのアカウントで行い、あくまでも決済のみ楽天IDを使用するのに対し、Amazonログイン&ペイメントは、ログイン自体にAmazonのアカウントを使用することだ。

 この違いには、二つのサービスにおける目的の違いが感じられる。楽天ID決済の場合は、楽天の他の動きにも共通するように、楽天経済圏をいかに広げ、その中でいかに顧客の利便性を高めるかという点に重きを置いているようだ。それにより、EC店舗にもメリットがもたらされる。だが、Amazonログイン&ペイメントの場合は、Amazonのアカウント利用者を増やすこと、それを多様なサービスに広げることを狙っているように感じられる。それは、現状だけでなく、今後の施策にも表れてくるのではないだろうか。


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事