特別企画:ASPカートが見据えるECの未来【MakeShop編】

福島 れい

左: GMOメイクショップ株式会社 プロモーション戦略室 リーダー 高橋 和夫さん
右: 同 マーケティング部 MakeShop課 新規出店チーム リーダー 関 優大さん
中央:同 プロモーション戦略室 広報アシスタント 磯田 ひかるさん

 今やモールとともに当たり前に存在する独自ドメインのEC店舗。その中でも更に手軽に始めることができるASPカート。ASPカートで店舗を持つ意味、存在の意味、理解できていますか?

特別企画:「ASPカートが見据えるECの未来」目次
・【成り立ち】https://goo.gl/Gdljww
・【CARTSTAR編】https://goo.gl/jT8kuH
・【FutureShop2編】https://goo.gl/hlUZ30
・【MakeShop編】
・【カラーミーショップ編】https://goo.gl/JF9NmQ
・【ショップサーブ編】https://goo.gl/tjyoGN

”やりたいことを簡単に自由にできる”ショッピングカート

 数あるショッピングカートの中で流通総額NO.1 約1300億円を誇る MakeShop は、ショッピングカートで唯一のECを専業とするサービスだ。”やりたいことを簡単に自由にできる”ショッピングカートとしての強いこだわりをGMOメイクショップ株式会社(以下、メイクショップ)の高橋さん、関さん、磯田さんに伺った。

 MakeShopのはじまりは2004年、ちょうど楽天市場への出店店舗が増え始めていた頃だ。当時のモールは今に比べ出店のハードルが高く、管理画面の操作などもまだまだ難しかった。そんな状況を見たメイクショップの向畑社長は当時、「今後、”簡単に、独自に出店したい”と考えるEC店舗オーナーが増えてくるはずだ。」と予感したという。

 こうしてはじまったMakeShopは、今も変わらず、”簡単に誰でも独自店舗を”という姿勢を貫いている。そのため、料金形態は手数料をとらず、月額の利用料のみ。また、テンプレートをはじめとするECサイトのフロント部分には、MakeShopのロゴをつけていない。これらは些細なことのようにも思うが”やりたいことを簡単に自由にできる”ショッピングカート MakeShopであるためのこだわりだ。

”1分1秒を縮めたい”が生んだ651機能

 では、MakeShopならではの特徴はどこにあるのだろう。高橋さんは「MakeShopは提供開始から12年経っているサービスです。この間、MakeShopでできることを増やそうとヒアリングを重ね、機能の開発を進めてきました。その結果、本気で売上を伸ばしている店舗で手を動かす人の1分1秒を縮める、そんなサービスになっています。」と話す。

 1分1秒を縮めると聞くと、ほんの少しの差だと感じる方もいるかもしれない。しかし、売上を伸ばす店舗は、業務の効率化、コストカットの意識をしっかり持ち、その余裕を集客や販促に充てているのだ。EC店舗として成長していくにおいてこの1分1秒の効率化は大きな意味を持つ。

 それを踏まえた上で、MakeShopが持つ機能を見てみよう。例えば、受注管理の機能では、管理画面の1ページに200件の注文を一度に表示するできるようになっている。もし、1ページに20件ずつしか表示できなかったとしたら、1日に200件の注文が入る店舗では、注文確認をするだけで管理画面上を10ページ移動しなければならないのだ。1ページに200件表示できる場合に比べ、時間のロスが発生してしまうのは言うまでもない。さらに表示件数が多くなると表示に時間がかかる、重くなるということはありがちだが、スムーズに表示し時間の無駄を省く仕組みになっている。

 この例からもわかるように、1分1秒というごくわずかな時間を縮めるのは、こだわり抜いたヒアリングと開発によって実現した細かな機能なのだ。このような本気で売上を伸ばす店舗のために開発された機能は、現在651項目に上り、業界トップクラス。まさに”使いやすさ”はMakeShopの特徴といえよう。

本気の店舗に、しっかりとサポートを

本気の店舗に、しっかりとサポートをイメージ図:MakeShopのサポート体制

 売上の大きな店舗までしっかり運営できる機能を備えたMakeShop。機能が充実しているだけでは、うまく売上が伸びない場合も考えられるが、実際にMakeShopで開業し、売上を伸ばしていく過程はどのようになるのだろうか。ここで高橋さんが挙げるのは、MakeShopが力を入れる「サポート体制」だ。

 まず、MakeShopで開業段階を想定しているのが「カスタマーサポート」ここでは機能の使い方や設定方法、決済手段の導入方法や店舗運営に関わる法律に関して等、EC店舗を運営する上で基本となるサポートを行う。関さんは「新しく出店される店舗さんからは、やり方がわからなくて不安という声がよく聞かれます。MakeShopは流通総額NO.1のショッピングカートです。それに見合うだけのノウハウを備えていますので、サポートを活用して一歩を踏み出していただきたい。」と話す。

 続いて高橋さんは”攻めのサポート”として「ECアドバイザー」の紹介を。これは開業してしばらくしても売り上げが伸びていない店舗や、運営がうまくいっていない店舗などに向けたサポートである。カスタマーサポートよりも一歩踏み込んだサポートを行うことで1店舗でも多く、事業を軌道に乗せてもらおうという計らいだ。

 その上で、さらに売り上げを伸ばしたいという本気の店舗向けに「コンサルタント」も存在する。これは店舗が求めるサポートのレベルに応じて内容や料金が異なるもので、座学の講習をはじめ、本格的なものでは、売上金額までコミットし駐在形式でのサポートなど様々なサポートが用意されている。

 MakeShopが開発を続けてきた数多くの機能とレベルに応じたサポートによって、売れる土壌が出来上がっている。それゆえに、高橋さんは「本気で店舗を運営されている方、これから益々の拡大を狙っている店舗さんにぜひとも使っていただきたいと考えています。」と話す。

店舗の”やりたい”が実現できる MakeShop

 メイクショップの”やりたいことを簡単に自由にできる”ショッピングカートでありたいという想いが、豊富な機能、充実したサポート体制に表れているように感じる。高い機能性、サポート体制がMakeShopの強みであることは言うまでもないだろう。

 しかし、取材中、高橋さんや関さんのお話から感じたのは、MakeShopは”特定の何か”ができるカートではなく、”これがやりたい”という意志をもった店舗が輝ける土台であるということだ。”やりたい”を実現する機能、さらにそれを売上に繋げるサポート。この両輪があってこそ、流通総額No.1の実績を打ち立てているのではないだろうか。

 店舗はMakeShopの機能・サポートのすべてを使おうとするのではなく、必要なものだけを必要な形で使用し、自身が想い描く店舗を作っていく。それがMakeShopを利用する価値であり、その土壌が整っているからこそ、MakeShopは人気を集めているのだと思う。


記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

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