楽天、新カンパニー体制へ移行完了。目指すビジョンとは
楽天、新カンパニー体制へ
楽天株式会社(以下、楽天)は7月1日に社内カンパニー制導入に伴う新体制への移行を完了したことを発表した。「日々変化する事業環境のもと、ユーザーとパートナーのニーズに迅速に応え、さらなる品質の向上と顧客満足度の最大化を目指します。」とコメントしている。
新しい楽天のカンパニー体制は、インターネットによる技術革新やユーザー・パートナーのニーズをくみ取り、最新のテクノロジーを活用した革新的なサービスの開発と提供をすることにより、更なる成長を図っていく。
楽天はカンパニー制において、業務執行を担う12カンパニーと、コーポレート機能を担うグループヘッドクオーターを置いた。そして各カンパニーが業務執行における機動性を発揮するとともに、コーポレート・ガバナンスの観点からアカウンタビリティー(責務)と透明性を明確にする経営体制を敷いた。
そして各カンパニーに、開発者とウェブデザイナーを最適な場所に配置し、統括者のリーダーシップに基づいてスピーディーな事業運営が可能となった。そのためこのカンパニー体制によって更なる成長が見込まれる。また、グループヘッドクオーターは、グループ全体の戦略や経営をはじめとしたコーポレート機能の強化に責任を持ち、各カンパニーが柔軟に動き目指すところへ近づいていけるよう、必要な支援を行う。
なお、グループ・ガバナンス強化の一環として、各カンパニーにもカンパニーCCO(チーフコンプライアンスオフィサー)を置き、グループCCOの指揮・監督のもと、カンパニーCCOが自カンパニーのコンプライアンス体制を監督・維持し、グループCCOに報告する体制としたという。なお、カンパニー体制の詳細はこちらからご覧いただきたい。(https://goo.gl/pwQjox)
楽天の今後の鍵を握る、「Vision 2020」
楽天は、2020年に向けた経営戦略を「Vision 2020」としている。これは2020年において楽天はどうあるべきかという姿を描き、それに向かってどのように今後経営していくのかの道筋を示している。そこで必要とされるものを3つ挙げており、「strong」「smart」「speed」である。
「strong」とは、楽天は自社が展開する様々なジャンルのサービスにて、大きなシェアを獲得している。そしてこのパワーをベースに成長することである。「smart」とは、ユニークでニッチなジャンルであっても、2020年に向けて収益源が見えているものは強化していくということである。そして「speed」とは、収益ではまだまだであるが、急成長しているものは早めに取り組んでいくことである。
楽天が提供するサービスはEC業界において現在、極めて重要な位置にある。代表的な例で言うと、楽天市場だろう。そんな楽天が積極的にカンパニー体制を変更したり、「Vision 2020」掲げるという動きが業界全体を引っ張っていくのではないだろうか。そして楽天は新しくなった組織体制で、中期経営戦略「Vision 2020」の実現を目指していくのだ。