EC業界News1週間まとめ〜Amazonプライム爆走、爆買に変化?、LOHACO好調等
7/3〜7/9のNewsをギュギュっとまとめました!
こんにちは。ECのミカタ メディア編集部の石郷です。
わたくし、とあるアパレルのレセプションパーティにお誘いを受け、行ってきたのですが、これがまた、おしゃれな人が多くて。手汗ぎっしりで、挙動不審の僕でした。
さて、そんな話はさておき。今週反響の大きかった注目のニュースは、こちらです。
Amazon「プライムデー 2016」は7月12日に開催!
https://ecnomikata.com/ecnews/9829/
Yahoo!、Amazon抜き1位に。Webサイトブランド力(日経BPコンサルティング調べ)
https://ecnomikata.com/ecnews/9846/
楽天が「海の家」を遂に7/15にオープン!その狙いとは
https://ecnomikata.com/ecnews/9889/
楽天、新カンパニー体制へ移行完了。目指すビジョンとは
https://ecnomikata.com/ecnews/9861/
【第四回】ヨナーイ佐々木のEC内緒話~どん底から這い上がった男の成功運営ノウハウ
https://ecnomikata.com/column/9886/
夏のボーナス、相場は約50万!その使い道が明らかに【マネーフォワード調べ】
https://ecnomikata.com/ecnews/9828/
三井住友銀行の24時間即時決済化はECに追い風の動き
今週1週間を振り合えると、上記のニュースになるのですが、EC業界に絡む人たちにとって、注目しておきたいニュースというところでいうと、株式会社三井住友銀行(以下、三井住友銀行)の話です。三井住友銀行は、来春目処に本支店の振込を24時間即時決済化するという話です。ご存じの通り、従来は、本支店間の振込のうち、平日15時以降、土日祝日の利用に関しては、翌営業日付になっていたわけですが、今回のこの対応によって、振込手続き後、すぐに受取人の口座に入金されるようになる。基本、対象となるのは、三井住友銀行の本支店ATM、SMBCダイレクト(インターネットバンキング)から申し込んだ振込となるが、これは、大きな前進といえるでしょう。
ネット通販においても、これらの銀行であれば、すぐに振り込まれたかの確認ができるようになるため、銀行振込を選んだ購入者の利便性が向上し、より早く商品を手に入れることができるようになる。決済のあり方に、少なからず影響を与えるはずです。また、勿論、企業どうしにおいても、大きい。例えば、ネットショップが商品の仕入れなどで、取引額の小さい会社とのやりとりにおいて、「銀行振込確認後、商品出荷」といったことがありますよね。すると、すぐ振込確認ができれば、中小規模の店舗においても、そのビジネスがスムーズになります。銀行の都合で、こちらが合わせていたわけですから、この三井住友銀行の取り組みは、事業をする上で、非常に歓迎すべきことではないかと思うのです。
中国の税制改正が越境ECの健全化と爆買に変化を
その他、最近、気になるのが、JETRO(日本貿易振興機構)が、ホームページで世界のビジネスニュース(出典:通商弘報)として取り上げていた越境ECに関する話題です。今年4月8日から、中国では、越境電子商取引(EC)によるBtoC(企業と消費者の取引)では、これまで適用されていた行郵税(入国する個人の荷物や個人の郵便物に対する輸入関税)が廃止され、一般貿易と同様に関税、輸入増値税、消費税が導入されています。取引限度額を拡大し、免税措置を撤廃することで、一般貿易との税制格差を解消することが狙いのようです。
つまり、中国の消費者が、日本の商品を購入した場合、今までは、比較的税率が低い行郵税を適用していたけど、一般貿易と同様な扱いをしますよという話なんですね。でも、これがマイナスかというと、そうではなくて、例えば、何でもかんでも、日本の製品が買われるというのではなく、中国ではなかなか買うことができないとか、そのクオリティを実現できなくて、でも日本の商品ならそれが実現出来るということであれば、越境ECが発展するべきだというわけです。若干、グレーというか、ちょっとお得な免税されるという環境の中で販売していたのが、これからは、中国でもその越境ECの存在に対して、ある一定の評価をして、バランスをとるようになったということは、今後、成長も認めた上で、越境ECにおける環境整備も整ってくるのではないかと思います。
そして、この税制改正により、行郵税(入国する個人の荷物や個人の郵便物に対する輸入関税)も一部改正されており、今までの課税は、従来の10%、20%、30%、50%の4段階から、15%、30%、60%の3段階に調整する形になっています。つまり、旅行者における輸入関税もちょっと変わっているのです。特に、お酒や、高価なアクセサリーなどは、60%になっており、例えば、三越伊勢丹の6月売り上げ速報を見るに「インバウンドは、宝飾時計など中心に引き続き苦戦。主力アイテムの化粧品のほか子供服は好調が継続」と書かれていることからも、日本における爆買にも影響があるのではないかと思います。こういう変化もまた、いわゆる転売目的で、日本で商品を買うというような人たちの存在を減らして、ごく自然な形で、越境ECが発展しやすい土壌が生まれてくるように思います。ゆえに、ネットショップにおいては、徐々に海外にも目を向ける必要性があるように思います。
LOHACO躍進で前期比164.7%、Amazonの買取再開なども要注目
あとは、今週の話題として、アスクルが決算の発表をしました。ここにヤフーとの連携が奏功していることが見て取れ、個人向けサービスのLOHACOの2016年5期の売上高が前期比164.7%の328億円、営業利益においても△32億円から△27億円と収益性が改善しています。更に、物流面で投資をすることを発表したほか、先日、1週間まとめでも取り上げた、日付指定を1時間単位にするなど、個人向けの配達の利便性を向上させなど、積極的な姿勢が見て取れるので、今後、注目すべき点ではないかと思っています。
LOHACOは、まだまだアスクルの持つ物流の力や商品企画力の部分で、潜在的な可能性を秘めているといえます。ちょっとここは注目したいのは、最近、LOHACOのモールを始めたんですね。あれ?どこかと同じだなと思いませんか?そうです。Amazonが自ら商品を売りつつ、マーケットプレイスとして商品の出品もできるようにしているのと考え方が近い。これは、ある意味、BtoBでアスクルが培ってきた物流のノウハウを活かせば、できるわけで、これがLOHACOの売り方の幅を広げて、かなり存在感を増してくるのでは、と思ってみたりします。そうすると、物流への投資をちらつかせているのも納得がいきます。
あとは、AmazonはAmazonで、いろいろ考えていて、ちょっと前ですが、小型商品向けの買取サービスを再開しました。Amazonに申し込めば、宅配キットが届くので、指定した時間に宅配業者が取りに来て、集荷してくれる。しかも、その集荷に当たる金額は無料です。査定が完了すると、Amazonギフト券がもらえるというわけです。これは便利ですよね。Amazonでものを買い、そして、Amazonで買い取ってもらって、Amazonギフト券が渡され、Amazonで買う。そこで完結してしまいます。
とはいえ、ちょっと思うのは、今までECというと、どちらかというと、購入の方に重きが置かれていたような気がしますが、最近は、買取、下取りといったもののインフラが整ってきているように思えます。先日も、カメラのキタムラも「トクトク交換」といって、ネットショップで商品を購入するときに、今持っているカメラの下取りを申し込むと、下取りで査定された金額分が購入代金から引かれるため、非常にお買い得になるわけです。
これもまたECにおける新たな局面と受け止めていいでしょう。
Amazonのプライムデー、楽天スーパー SALEセール。似ているようで違う。違いを次のページで明らかにします。なるほどと思うはずです
Amazonがプライムデーへ注力する理由
そして、今週注目度が高かったのは、「Amazonプライムデー」関連のニュースでした。最近、楽天、ヤフーなどもそうですが、テレビCMなどを投入してまで、セールを強く打ち出しています。回数も増え、そのセールの開催時期がかぶることも多くなっています。
ただ、Amazonプライムデーにおいては、どちらかといえば、我が道を行くといった感じで、セールというよりは、プライム会員という存在を認知させるための巨大なキャンペーンと受け止めた方がわかりやすいような気がします。
実際、入手困難な高額ウイスキー『響30年』や『響21年』を販売したり、クリスティアーノ・ロナウド選手をはじめ、有名サッカー選手のサイン入りのユニフォームやグラフィックアートを販売するなどの特別企画もあります。また、これを機に、1時間で商品を届ける、「プライムナウ」においては、この日に、よしもとの芸人が届ける特別企画も用意します。東京・神奈川・千葉エリアでは、「NON STYLE」「FUJIWARA」「千原せいじ」、大阪・兵庫エリアでは「村上ショージ」「藤崎マーケット」が自宅まで配送。対象時間帯の配送を選んだ人の中から抽選で対象者が選ばれる形となるようです。他にも、PrimeMusicにおいても特別企画があるなど、なので、普段、プライム会員向けに用意されているサービスが総力を結集して、この日のために、法被着て、夏祭りをするような印象と言ったらいいだろうか。ただ、勿論、順次、タイムセールを行うため、多くの商品が値ごろ感のある形で販売されるわけで、セール自体が、大きなトピックとなっているのも事実です。
Amazonにとっては、プライム会員が浸透すれば、固定で年会費3900円(税込)を受け取れるという安定した収益が見込め、かつ、会員特典をAmazonの物販のサービスとうまく結びつけ、自然と何かが欲しくなった時に、心理的にAmazonを選択するような方向に持って行くことができるという意味では、この会員獲得が成功すれば、ネット通販において主導権を握れるパワーを持っています。
日本経済新聞社が調べたところによれば、15年度の小売業売り上げ高のランキングで、イオンやセブン&アイホールディングスなど、リアルのお店でシェアを握ってきた小売業の競合がいる中で、8位。国内で、約1兆円(年平均のため、為替レートで換算)だと言います。勢いを感じずにはいられないのではないでしょうか。
ということで今週はこの辺で。1週間を振り返り、次の一週間へと繋げるヒントになればと思います。どうか笑顔あふれる1週間でありますように。また、来週お会いしましょう!
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