dメニューで培ったNTTの技術がECに今活きる
本日25日13時より、NTTレゾナント株式会社(以下、NTTレゾナント)「2016年度メディアカンファレンス」が開催され、「2016年度注力事業」「goo Search Solution」「corevo:NTTのAI技術への取り組み」について発表があった。特にスマートナビゲーション事業部長 三澤 淳志さんによる「goo Search Solution」に関する内容はECに関係が深いため詳細を見ていこう。
消費者・EC事業者ともに「サイト内検索に課題」
「goo Search Solution」とは、本日提供が開始されたECサイト内検索ソリューションだ。最大の強みは「goo」や「dメニュー」などのNTTグループサイトで培ったログ分析ノウハウを活かし、業種や対象商品、ターゲットに合わせた柔軟なカスタマイズが実現することだという。
NTTレゾナントが「goo Search Solution」の提供を開始する背景にあるのは、サイト内検索における利用者の不便解消とEC事業者の機会損失防止だ。同社が2016年3月に行った「ECサイトでのサイト内検索に関する利用者調査」によれば、利用者の56%が「サイト内検索結果からほしい商品が見つけられなかった経験がある」と回答、「検索結果から欲しい商品が見つけられなかったとき、購入をあきらめたことがある」との回答も43%に上っている。一方、同時期に行った「サイト内検索対応に関するECサイト事業者調査」によると、ECサイト事業者の77%が「サイト内検索に課題・改善したいポイントがある」と回答しているが、「対策を実施している」企業は14%に留まる結果となっている。
NTTグループの技術を活かした「goo Search Solution」
「goo Search Solution」で提供されるメニューは、「①診断、②バリューアップ、③ワンストップソリューション」となっており、商材や規模によって異なるEC事業者のニーズを汲んだカスタマイズが行われる仕組みだ。
「goo Search Solution」の強みは大きく2つ。1つは、gooやドコモの運用で蓄積したログ分析ノウハウと高精度・高速検索エンジン。多くのユーザーを対象としたgooやドコモの検索においては”表記ゆれ”や”急上昇ワード”へ柔軟に対応するには、十分なノウハウが必要になる。ここで培ったノウハウをECサイトで活かすことで、より精度の高い検索結果のチューニングが実現するというわけだ。
2つ目の強みは継続的なブラッシュアップができること。データ解析と自動反映を継続的に行うため、消費者の検索体験を常時最新化することができるようになっている。このとき反映されるデータには、gooのデータも自動的に含まれるため、効率的なブラッシュアップが実現する。
三澤さんは、現状プレセールスは進んでいるが、具体的な企業名は明かせないとした上で、導入イメージは大手中堅のECサイト、商品数が多いほうがより効果的に活用できると話した。また、料金に関しても、導入初段階で行う診断の内容によって料金は異なるとのことだが、おおまかな目安として数百万円から、大規模なカスタマイズを行う場合には数千万円になる場合もあるとしている。
現段階で具体的な導入事例として挙げられるのは、NTTドコモ社のみで、今後導入を進めていくとのことだ。しかし、NTTドコモ社では、dメニューのショッピング検索や画像検索などに導入され、数千万のレコード情報も高速に検索が可能となっており、大規模なECサイトにおいて、効果が見込めることは想像に難くない。
NTTグループがこれまでに培ったノウハウや技術がECサイトにおいて活きるサービスという意味で「goo Search Solution」は注目を集めることだろう。三澤さんは導入・運用を進めながらサービスの改善や発展を進めていくと話しており、今後どのような企業が導入し、どのような進化を遂げるのか、その動向を追っていきたいところだ。