Spider Labs、GW商戦を前に不正購入・転売被害への警戒を呼びかけ

ECのミカタ編集部

“発送前”に見抜け──年間41万件の不正注文を検知するSpider AF、GW商戦を前に転売被害への警戒を呼びかけ

株式会社Spider Labs(以下、Spider Labs)は、近年進むECにおける不正注文の手口の巧妙化を受け、自社で実施した不正注文に関する調査結果を紹介しつつ、“発送前”の不正対策の強化を訴えた。

巧妙な不正購入の手口が確認

Spider Labsが提供する不正転売検知ツール「Spider AF」は、不正注文の実態を明らかにすることを目的に、2024年の1年間の不正注文検知数を計測した(※1)。

「Spider AF」を利用する138社を対象にしたこの調査によれば、Botによるアクセスや転売目的などの不正と判定された注文は41万5392件に上り、全体の約6%を占めたという。これは1日あたり平均で約1135件に相当し、現在も多くの不正注文が日常的に発生していることを示している。

また、Spider Labsが各社ECにおける不正アクセスの傾向を分析したところ、以下のような巧妙な不正購入の手口が確認されたという。

◆Botによる一斉アクセス・自動購入による秒単位の売り切れ
◆VPNやプロキシサーバを用いたアクセス地域の偽装・制限回避
◆Cookie削除やマルチデバイスを使ったアカウント量産


同社は「これらの不正の多くは、一般ユーザーと見分けがつきにくい高度な手口によるものであり、従来の人力対応や簡易的な制限では検知が困難なケースが大半です」と指摘した。

対策の網をすり抜ける巧妙な不正が依然として存在

例年、ゴールデンウィークを控えた4月中旬は、コスメやアパレル、グッズ業界にとって重要な販促期間にあたる。

しかしSpider Labsによると、初回購入限定の低価格で商品提供を行うキャンペーンや、ファン向けに展開される数量限定・期間限定商品の争奪戦が激しさを増す一方で、EC上では転売業者による買い占め被害や高額転売が相次いでいる。

不正転売はブランド価値の毀損、ファン離れ、SNS炎上を引き起こす可能性がある深刻な課題だ。多くの企業が購入後の転売防止や発送前の不正チェックを行っているが、対策の網をすり抜ける不正は依然として存在し、見逃されているのが実態だろう。

GW商戦に備え、Spider Labsが説く「発送前の対策」を含めて、不正購入や転売被害を防止するための自社の対応をチェックしておきたい。

※1:調査期間:2024年1月1日〜12月31日、調査機関:株式会社Spider Labs、調査対象:アドフラウド対策ツール「Spider AF」で不正注文検知機能を利用した企業138社、サンプル数:683万4287件、調査方法:自社データベース