楽天2025年度通期決算 国内ECは1兆円突破、モバイルとのシナジー拡大とAI活用推進を目指す
2026年2月12日、楽天グループが2025年度通期決算を発表した。連結売上収益は前年同期比9.5%増の2.5兆円、Non-GAAP営業利益は1063億円となり、増収増益で着地した。国内EC事業では売上収益が1兆円を突破している。今後は、モバイルとのシナジー拡大やAI活用による継続的な収益成長を目指すという。
グループ全体ではフィンテックセグメントが成長に寄与

グループ全体では、フィンテック、モバイル、インターネットサービスの各事業が増収となった。とくにフィンテックセグメントは前年同期比19.0%増となり、成長に大きく寄与している。

連結Non-GAAP営業利益は、モバイルセグメントの損失改善があったこともあり、前年同期比992億円増の1063億円を達成。説明会では、AIアバターとして登場した三木谷浩史会長が「2026年度は、今回黒字となったNon-GAAP営業利益と、IFRS営業利益の利益指標を大幅に増益させることを目指します」と語った上で、「楽天モバイルとエコシステムのシナジー拡大」「AI 活用の加速」「人材開発の強化」の3領域に力を入れていくと宣言した。
国内ECの売上収益が1兆円に到達

インターネットサービスセグメントの売上収益は1.4兆円(6.8%増)。Non-GAAP営業利益はマイノリティ投資事業の評価損益(損失)を含んだ着地としては889億円(4.5%増)となった。

国内EC事業の流通総額は6.3兆円(3.9%増)、売上収益は1兆円(5.8%増)、Non-GAAP営業利益は1224億円(12.6%増)となった。「楽天市場とトラベル事業が増収を牽引している」と三木谷氏。トラベルではインバウンド関連取扱高が58%増となった一方で、物流やネットスーパーなど成長投資領域では損失改善が進んだものの、いまだ赤字が続いている。三木谷氏は「今後はモバイルとのシナジー拡大やAI活用により、コアビジネスの継続的な収益成長と成長投資ビジネス各事業の早期黒字化を目指してまいります」と語った。

モバイル事業とのシナジー効果とAI活用推進の可能性
シナジーの要となるモバイル事業は、楽天モバイル全契約回線数が1001万回線を突破。また、通期EBITDA黒字化を達成した。これはモバイルセグメントとして初めてのことだ。2026年には楽天モバイルユーザーに対して楽天銀行の金利を上乗せするプランを開始したり、動画配信サービスと抱き合わせのキャンペーンを行ったりして誘致を進め、さらにモバイルユーザーの増加を狙う。

楽天市場の月間アクティブユーザーに占める楽天モバイル契約者比率は16.4%(+1.4%)。AI活用については、2025年度の1年で検索、レコメンデーション、広告等、様々な領域へのAI導入を進めた。

説明会の後半では、チーフAI&データオフィサーのティン・ツァイ氏(アバター)が「2025年にはAIにより255億円の利益貢献を創出した」とし、年度目標の210億円を上回ったことを報告。楽天のAI活用について最新情報を開示した。
楽天市場のレコメンド機能では、ディスカバリーレコメンドの導入によってアプリ滞在時間が41%増加。広告領域では、2025年10月にリリースした「カテゴリワード広告」の利用が拡大し、12月の売上が1.52億円となっている。ティン氏は「2026年は、楽天とテクノロジー業界全体にとってAIにおける重要な年です。 私たちは引き続き、高いインパクト、高い効率性、高い投資対効果をもって AI業界をリードしていきます」とし、発表を締めくくった。


