フリマアプリの売上を「推し活」に充当する「循環型推し活」が拡大 メルペイ調査
株式会社メルペイは2025年12月10日、「推し活と金銭感覚・消費行動」に関する調査結果を公表した。
調査概要
◆調査時期:2025年11月21日~11月25日
◆調査方法:インターネット調査
◆調査対象
▷①全国の18~69歳男女:4707名(SCサンプル)
▷②上記かつ、推しの対象があり、推し活という行動を行っている人:600名(本調査サンプル)
◆出典:推し活と金銭感覚・消費行動(株式会社メルペイ)
推し活が生活文化として広く浸透
本調査ではまず、何らかの「推し」があるかを質問。48.8%が「ある」と回答した。
「推し」の対象は「人物(アイドル、ミュージシャン、俳優、タレント、芸人、インフルエンサー、スポーツ選手など)(67.2%)」が最多。次いで「コンテンツ(アニメ、マンガ、ゲーム、映画、小説など)(37.7%)」といった従来の「推し活」領域が続いた。
一方で「趣味・クリエイティブ(カメラ、アート、ハンドメイド、DIY、料理、楽器演奏など)(17.1%)」や「体験(旅行、フェス、イベント参加、スポーツ観戦、キャンプ、サウナ、釣りなど)(15.3%)」といった対象も挙がった。対象がライフスタイル全般に広がっていることが可視化された。「推し活」が生活文化として広く浸透していることがうかがえる。

半数近くが「推し活費」を「減らしていない」
このように生活の一部となりつつある「推し/推し活」の位置づけについての質問には、5人に1人以上(22.5%)が「生活必需品(生きるために必要)」と回答。
「推し活費」に対する考え方は「心のコンディションを整えるメンテナンス費(47.7%)」が最多となった。次いで「生活全般を豊かにしてくれる『自己肯定』のための支出(26.4%)」「推しがいるからこそ、仕事や収入を作ることを頑張れる(25.5%)」が続いた。

「推し活」における物価高の実感をたずねた項目では、約8割(77.1%)が「感じる」と回答した。しかしながら半数近く(48.1%)が「推し活費」を「減らしていない」ことも明らかになった。
その理由は「精神的な満足感や幸福度を維持したかったから(38.8%)」が最多となった。「心の生活費」と位置付けられ「推し活費」を容易に削ることができない実態がうかがえる。

「循環型推し活」が新たな選択肢に
物価高の中でも「推し活」を続けるため「他の趣味や娯楽の費用を削る(30.5%)」や「我慢する、購入頻度を下げる(25.5%)」などの「節約」も行われている。
そんな中、広がりを見せているのが「循環型推し活」。「クレジットカードやポイントサービスを活用し、積極的にポイントを貯めたり使ったりする(22.3%)」「フリマアプリで不要になったグッズを売却し、活動資金に充当する(16.2%)」といった方法で賢く資金を生み出す方法が、新たな選択肢として広がりを見せている。

今回の調査では「推し活」が精神的な満足を支える「心の生活費」として捉えられている実態が浮き彫りになった。その一方で、多くの人が突発的で高額な出費の管理に悩み、その資金を補うためにフリマアプリでの不要品売却などを活用する「循環型推し活」という工夫を凝らしている実態が明らかになった。
「推し活」市場の盛況を支えるユーザーたちの実態が見えた、本調査結果。ぜひ施策検討の参考にしたい。


