ECサイトの成功の準備はサーバー選びから!CPI×EC-CUBE共催セミナーに潜入
「ASPカートよりも自由度の高いECサイトを作りたい。」
何気ないこの問いに対して、多くの事業者は二つのことに悩みがちだ。まず、何を使って、どういうECサイトを構築すればいいのだろうか?ということ。そしてもう一つは、例えば、ECパッケージを利用するとしたら、どこかしらのサーバーにインストールする必要があり、サーバーの選定も必要となるわけだが、数あるサーバーの中からどれを選べば良いのか?ということだ。
そこで、弊社は、レンタルサーバー「CPI」を提供するKDDIウェブコミュニケーションズと「EC-CUBE」を提供するロックオンの共催セミナーに潜入してみた。「初心者向け」と銘打ったセミナーの模様を特別にお伝えしようと思う。
「初心者だけど簡単におしゃれなサイトを構築したい。」その声に応えるEC-CUBE
1つ目の課題に対して、ロックオンが提示した答えはもちろん「EC-CUBE」。その根拠として株式会社ロックオン コーポレート戦略本部 コーポレート戦略部 EC-CUBE戦略企画課 EC-CUBEマーケティングマネージャー、梶原直樹氏は次のように語る。ご存知の通り、EC-CUBEはECサイトを構築するためのオープンソースプロダクトで、EC-CUBEを利用して作られた店舗はすでに3万店舗を超えるという。
その理由として、オープンソースであるが故に開発型よりも費用を抑え、ASP型よりも自由度の高いECサイトを作れることが挙げられる。
カスタマイズの自由度が高ければ、ブランドイメージを守りながら、ECサイトを作ることや自社サイトだからこその特別感を演出できる。結果、価格競争に巻き込まれにくい差別化を生み出す。
カスタマイズと言っても、ゼロベースでの開発ではない。EC-CUBEでは多くの開発者によって多数のプラグインが提供されており、自分で新たに開発せずとも既存のプラグインを利用してサイトを構築できる。もちろん、自分で開発したいという方へのフォロー体制も整っており、会員数15,000人の開発コミュニティが存在している。なんとEC-CUBEを提供しているロックオンには開発者は8人しか在籍していないそうで、今やEC-CUBEを扱う上でこのコミュニティは欠かせないものとなっている。
その他にもロックオンはWEB制作会社やレンタルサーバー、決済モジュールを提供する企業とのパートナー関係を結んでおり、EC-CUBEの本領を発揮する環境が整えられているのだ。
目まぐるしいEC業界に対応!EC-CUBEの最新動向公開
2年前の2015年7月にEC-CUBE3系(EC-CUBEのバージョン)がリリース。この3系では”プラグインファーストとし、EC-CUBE本体のコアを小さくすることで、よりプラグインを使ったカスタマイズが利用しやすくなった。また、完全レスポンシブとなっており、スマホファーストの波にも乗り遅れない。
また、リリースから2年の間でこの1年間は情報セキュリティ上の欠陥が出ていないとのことで、個人情報を抱えるEC事業者としては、利用するか否かの判断材料となるにちがいない。
次のバージョンであるEC-CUBE3.1では機能やデザインのカスタマイズ性の大幅な向上が予定されており、WordPressやHTMLでもデザインしやすい、デザイナーに取って使いやすいものになると梶原氏は語る。
また、最近のトピックスとしては、近年増えてきている B to B ECサイトが作れるようになったことや、スマホアプリが簡単に作れる作成キットのリリースなどについて語られた。
さらには、セキュリティ診断やWEB接客を強化できるマーケティングツールとの連携などについても触れられ、めまぐるしく変化していくEC業界に対するEC-CUBEの姿勢がわかる。
その後はEC-CUBEを実際に使用したデモなども行われ、インストール後に簡単に編集できる様子を見ることができた。
サーバー選びの4つのポイント。そして決め手となるものは?
2つ目の課題に対しては株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ コミュニケーション本部 フィールドマーケティング部 エバンジェリストの阿部正幸氏がその答えを導くポイントを提示。
サーバーを選ぶポイントとして、気をつけなければいけないポイントは4つあるという。
・セキュリティ
・稼働率
・速度
・価格
まず1つ目はセキュリティだ。個人情報を抱えるEC事業者にとって、セキュリティに関しては非常に重要かつ繊細な部分となる。例え1度でも情報の流出が疑われれば、「この会社大丈夫かな?」という印象を抱かれてしまいかねないため注意が必要だ。近年は悪意のあるハッカーがセキュリティ対策がずさんなサーバーを偵察してセキュリティの穴を探しているという。
セキュリティ対策にはさらに4つのポイントがある。
①古いバージョンを利用しない
②ID・パスワードの管理不備
③不要な情報を保存しない
④万が一のためのバックアップ
①古いバージョンを利用しない
「ハッカーはロボットを使い、セキュリティホールがないか機械的に探し続けています。管理するサイトのアクセス数が少ないから大丈夫と安心している方は危険です。古いバージョンのCMSが利用されていないかなどセキュリティ対策を見直してください。」と阿部氏は警鐘を鳴らす。
②ID・パスワードの管理不備
不正アクセスの原因として1番多いものは、ID・パスワードの管理不備だという。
これは日常でも言われる話だが、予測されそうなパスワードの利用や、使い回しなどをしていないか、確認が必要となる。
③不要な情報を保存しない
ECサイトにはクレジットカードが利用できるサイトがほとんどだ。クレジットカードを利用する場合、決済代行会社を使い、決済させる。理由はクレジットカード情報を自社サーバーで管理せずに済むためだ。クレジットカード情報や、個人情報など不要な情報はなるべくサーバーで管理しないことが重要だ。
④万が一のためのバックアップ
万が一、サイトが改悪されてしまった場合に備え、バックアップを取っておくことを推奨されていた。バックアップがあれば元の形式に戻すことができるからだ。
そして、サーバー選びの2つ目のポイントがサーバーの稼働率だ。サーバーの稼働率とは、ある一定期間でサーバーが稼働している時間のことを言う。どれだけ良いコンテンツが揃っていてもサーバーがダウンしていればユーザーはアクセスすることができないため購入機会の損失が生まれてしまう。稼働率もサーバーを選ぶ上で重要なポイントとなる。
また「SLA」という文字を見たことはないだろうか。これは、サーバーの品質保証制度を指し、万が一サーバーの障害で稼働率を維持できない場合に一定の割合で利用料金を返金する仕組みだ。例えば、CPIではSLA対象のサービスについては、SLA100%を保証しているとのこと。
3つ目は速度、4つ目は価格という話なのだが、この2点については価格と速度、安定度は比例すると阿部氏は言う。どれだけサーバーに費用をかけられるかによって変わるため、様々なサーバー会社に相談してみることが良いだろうとのこと。
これまでに4つのポイントが挙げられたが、サーバー選びのポイントについて、最後の決め手は何になるのかといえばそれは”信頼できる会社であるかどうか”だという。確かに、サービスをいくつか比較検討する際に「担当者の信頼できる丁寧な対応が決め手となった」というのはよく聞く話である。
CPIとEC-CUBEのタッグが生み出す、ECで売上アップの環境作り
低コストで簡単にサイト構築ができるEC-CUBEであるが、実はインストールに少し手間がかかるとのこと。そのため、サーバーを提供する企業と提携し、EC-CUBEをインストールした状態のものも販売されている。
では最後に、CPIの魅力についてもまとめてみようと思う。
①アクセス集中しても落ちづらい
②テストサーバーが付いているため、安心してサイトを更新することができる
③セキュリティが高い
通常、共有サーバーでは複数人で1台のサーバーを利用するため、キャンペーンなどのアクセスに耐えられず、気付かないうちに商品購入の機会を逃していることがある。しかしCPIではサーバーダウンしにくいインフラや運用監視体制を兼ね揃えており、先に述べたようにSLA100%の信頼性を誇るサービスである。
また、通常であればサイト制作や運用を行うために必要な「テスト環境」と「バックアップ」を「本番環境」とは別で用意する必要があるが、CPIでは「テスト環境」と「バックアップ」が標準サービスとして利用できるため、サイト運用をより重視したサービスであるといえる。
ECサイト成功の準備はサーバー選びから
阿部氏が最後に語った「何を構築したいかによってプロダクトは変わってきます。だからこそ、しっかりと考えなければ成功しないと思います。」という言葉が印象深い。
サイトの新規構築やリニューアルという新たな門出を迎える際、やりたいことはいくつも思い浮かぶだろうが、成功の道筋を立て取捨選択することが必要なのである。その中でもECに理解のあるCPIのようなサーバーを選択するということは、ECサイトを運営していく上でも、担当者としても安心感を得ることができるだろう。
ECサイトの売上をあげようとすれば様々な施策があるが、実はECサイトを構築する段階からその準備が始まっているのである。新たな門出を迎える際には、是非EC-CUBEとCPIを検討してみてはいかがだろうか。